出版社 : 幻冬舎
正体不明の大悪党・千住の市蔵は、争闘の場で見たお夏への復讐心を滾らせていた。お夏とて母を殺めた市蔵との決戦は望むところだが、表の顔はあくまでも居酒屋の毒舌女将。同心の濱名茂十郎は、お夏抜きで市蔵捕縛に向かう。正義と悪が激突する白山権現。そこで運命の悪戯ともいうべき事態が判明!お夏の運命は?人気シリーズ、堂々の決着。
島抜けした元博徒・丹次の兄捜しはいよいよ佳境。眼を悪くした兄・佐市郎の居場所へついにたどり着けそうな予感に気が逸る。一方家業の乾物問屋を潰し、親に首を吊らせ、佐市郎を捨てた兄嫁と情夫とは方をつけなければならない。そしてすべてが済んだ時、丹次が下した衝撃の決断ー。兄弟の強い絆に胸締め付けられる、感涙のシリーズ最終巻。
悪い商家や大名からしか盗みませんー。巳之助は鮮やかな手口で知られる義賊。幼き頃に親に捨てられ、十代のとき濡れ衣で奉公先を追い出された過去から、阿漕な奴が許せなかった。新たに狙うのは旗本に賄賂を贈って財を成す薪炭問屋・亀田屋。その主人に虐げられていた辣腕の浪人と組み、希少な天竺茶碗を奪うが…。著者渾身の新シリーズ始動。
蔦屋重三郎の法要の膳を出すことになった福田屋善四郎。この日に賭けた善四郎の料理は見事に座の賞賛を呼び、大田南畝、山東京伝ら時代の寵児と知己を得る。やがては料理の道で天下が取れるとの南畝の言葉通り「八百善」の名は高まっていく。文政に入り善四郎が著した『料理通』が大評判となる中、遂に店に将軍の御成を告げる使いがやってくる。
「わたしが実はマゾだったら、どうする?」。高潔なフラワーアーティストの妻・貴子から突然告げられ、SM愛好家・綿貫の家に連れていかれた竜平。「奥さんはこういう風にされたかったんだよね」。貴子の股間にきっちり食い込む真っ赤な二本のロープ。目の前で繰り広げられる妻の痴態に、竜平は怒り狂いながらも勃起していたー。圧倒的SM官能。
30年前に小樽で発生した母娘惨殺事件。死刑がすでに執行済みにもかかわらず、被告の娘が再審を請求した。娘の主張が認められれば、国家は無実の人間を死刑台に追いやったことになる。司法の威信を賭けて再審潰しにかかる検察と、ただひとつの真実を証明しようと奔走する娘と弁護団。「権力vs.個人」の攻防を迫真のリアリティで描く骨太ミステリ小説。
大阪府警の堀内は恐喝がバレて依願退職。民間に拾われるが、暴力団と揉めて刺され、左脚に障害が残る。収入はゼロになり、女には逃げられ…。そんなとき刑事時代の相棒、伊達が二十兆円市場と言われるパチンコ業界にシノギを見つけ、協力を求めてきた。警察、極道との癒着、不正な出玉操作ー業界の闇に、堀内は己の再生も賭けて切り込む。
破綻国家の国債を二束三文で買い叩き、欧米で訴訟を起こし、勝訴判決を受けるや、その国のタンカーや外貨準備、はては人工衛星まで差し押さえ、投資額の十倍、二十倍のリターンをむしり取る「ハイエナ・ファンド」。日本ではほとんど報道されていないその実態や欲望渦巻く国際金融市場の苛烈な闘いを、綿密な取材をもとに描ききった話題作!
ペルー、ザンビア、コンゴ、ギリシャを血祭りに上げたヘッジファンドは、アルゼンチン政府との十五年戦争に突入。一方、国際NGOがファンドによる強奪と権力者の汚職を阻止しようと、先進国や国際機関に働きかける。だが、NGOからも金に窮してヘッジファンドへ転職するメンバーが出現ー。激烈な国際金融バトルを制し、最後に笑うのは誰か!?
金も仕事も住処も失った元エリート・溝端了衛は20年ぶりに故郷に帰る。 だがそこは、携帯の電波は圏外、住民は曲者ぞろいの限界集落。 地域に溶け込む為、了衛は手を尽くすが、村八分にされ、さらには愛犬が不審死する。 追い詰められ考えた乾坤一擲の策は予想外の結末をもたらしーー。 降り注ぐのは恩寵か厄災か。著者史上最狂ミステリ。
「恩師が跳び降り自殺しないように見張ってほしい」と大学OBの居酒屋店主から頼まれた匠千暁は、現場で待機するも先生を死なせてしまう。老教師の死の理由を追い、真犯人から“悪魔の口上”を引き出す表題作。刑事の実家で二十三年間続く午前三時の心霊現象の謎と隠された真実を解く「無間呪縛」他、読み応えたっぷり、四つの珠玉ミステリ集。
企業交渉人・鶴谷康に舞い込んだ新たな依頼は、横浜市で持ち上がったカジノ(IR)誘致事業への参画を突如取り消されたアミューズメント会社の権利回復。分の悪い仕事を鶴谷は男気で請けるが、政官財と裏社会の利権が複雑に絡み合う交渉は、想像を絶する事態を招いた…。欲望の渦に揉まれる「捌き屋」に活路は!?人気シリーズ最新作!
憧れのファッション誌からオカルト誌へと異動させられた雛子の初仕事は、宇宙オタクの高校生・二宮竜胆への取材だった。彼は並外れた頭脳と洞察力、さらには見目麗しい容姿を持ちながら極度の人間嫌い。超高層マンションの最上階に引きこもりながら、十年前にたった一度声を聞いただけの、“あの人”との再会を待ち望んでいた。青春ミステリー。
高校二年生の真緒と暮らす祖母・千絵の仕事は、割れた器を修復する「金継ぎ」。進路に悩みながらもその手伝いを始めた真緒はある日、引き出しから漆のかんざしを見つける。それを目にした千絵の困惑と故郷・飛騨高山への思い。夏休み、二人は千絵の記憶をたどる旅に出るー。選べなかった道、モノにこめられた命。癒えない傷をつなぐ感動の物語。
「いつでも、誰でも人格者になれます」。名前も年齢も異なるのに、同じ性格をもち同じ行動をする人達がいる。彼らは、チェーン店ならぬ「チェーン・ピープル」と呼ばれ、品行方正な「平田昌三」という人格になるべくマニュアルに則り暮らしていた。そんな時、429人目の平田昌三が、殺人事件を起こす。温和なはずの彼は、なぜ人を殺めたのかー。
国家が存在を秘匿する超能力者養成機関・悠世学園。全国から集められた子どもたちが日々訓練していた。ある日、一人の平凡な男子生徒・左木陽佑が瞬間移動の実技訓練中“ある力”を暴発、ペアを組んだ女子・高馬さくらとともに行方不明に。だが、これは国家を揺るがす大事件の前兆にすぎなかった。抑え込まれた“何か”が二人の行く先々で動き出す。
急成長した健康食品会社の社長が事故死した。遺言書が無いため、自由奔放な妻・武光まり子は10億の遺産を独り占めするはずだった。しかし、財産を食い潰す息子、会社の乗っ取りを狙う医師の義弟、そして突然現れた非嫡出子らの企てに嵌められていく。無欲を装い、ひとり勝ちする悪党は誰か?昭和を舞台に黒い欲望と打算を描く相続ミステリー。
これは日本で初めて起こったテロ事件なのか? 事件は現場ではく会議室でも起きている!! 捜査と家庭に追われる刑事の奮闘を描く!! 四谷にある大学の門近くで自動車の爆発事故が起こった。 死者と怪我人を出したこの爆発は、やがて「爆弾」が仕掛けられていたことが判明する。 警察はテロと断定し、警視庁刑事部捜査一課の樋口顕は情報収集に動き出すが、 上司である天童隆一管理官から「かつての部下、因幡が『テロを防ぎたい』という 電話をかけてきた」と打ち明けられる。 国際テロ組織に入った噂のある因幡からの電話は、今回のテロとの関連するのか? そんな最中、樋口の娘・照美が、バックパッカーで海外旅行に行きたいという。 公安も捜査に乗り出す中で、テロ捜査と家庭の間で奮闘する樋口は何を思うのかーー。
駅前にある大型喫茶店ケレスの特筆すべきはメニューの豊富さだ。厳選された茶葉のドリンクは言わずもがな、多種多様なフード類を売りにする。包丁部の先輩、翔平と颯太がそこでバイトに精を出していると聞きつけた大地は早速面接に臨むのだが…。焼き肉ピラフや特製オムライスなど、まかない飯もとびきり美味。垂涎必至のシリーズ第三弾。