出版社 : 幻冬舎
パリでお針子見習いとして働くカミーユ・ドンシューは、ある日、新進画家から「モデルになってほしい」と請われる。彼の名はオスカル=クロード・モネ。やがて二人は愛し合い、運命の荒波に呑まれてゆくーフランス激動の時代に、「印象派」を主導した画家・モネを愛し、支えた、一人の女性の物語。
原宿駅周辺で銃乱射事案が発生。多くの死傷者が出たが、警視庁特殊部隊SAT制圧班(通称トツ)が緊急出動し、犯人を制圧。しかし、ある被害者女性が遺した「謎の言葉」が頭から離れない班長の南條は許されない独自調査をスタートする。手がかりを追ううちに、四日後の中国首脳来日に危機が迫っていることが分かりー生死を賭けて任務に挑むSAT隊員たちの熱い闘いと絆を描いた、衝撃的クライムサスペンス。
「一度あることは、二度起こりうる。だから、きっと帰れる」毎年「ワケアリ」な青少年たちが開催するサマーキャンプは、今年も変わらず静かな夜を迎えていた。しかし、そこに一線の閃光と激震が起こり、事態は一変する。うっそうとした茂みの中の野生のイノシシ、原始人との闘い…もしかして、タイムスリップ!?閃光の先は何と縄文時代!!笑いあり、涙あり、友情あり!現代に戻れる日を信じ、力強く生き抜く青年たちを待ち受けていた、驚愕の真実とは!?既存のタイムスリップ作品とは一線を画した衝撃作!
山川悠は、研修期間を終えて東国病院に勤めはじめた1年目の外科医。不慣れな手術室で一人動けず立ち尽くしたり、患者さんに舐められないようコミュニケーションをとったり、先輩医師に怒られることもしばしば。そして、ある出来事を機に、山川の頭の中に一つの考えが芽生えはじめる。
史上最悪の刑事VS史上最低の犯罪者 SNSの悪意×匿名性×依存性が引き起こす災厄。 鋭い舌鋒で容疑者を落とす百戦錬磨の刑事・毒島が、 卑劣な敵を相手に最後の戦いに挑む。 刑事・毒島は警視庁随一の検挙率を誇るが、出世には興味がない。犯人を追うことに何よりも生きがいを覚え、仲間内では一を話せば十を返す能弁で煙たがられている。そんな異色の名刑事が、今日も巧みな心理戦で犯人を追い詰める。大手町の連続殺人、出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃……。捜査の中で見え隠れする<教授>とは一体何者なのか?かつてない強敵との勝負の行方はーー。手に汗握るノンストップミステリ!
高校3年生の春。東北から転入してきた佐々木美桜は、友人を作らず一人でいることを強く望む佐藤輝澄に、なぜか執拗に話しかける。だんだんと美桜に惹かれていく輝澄だったが、彼には自分の気持ちに素直になれない理由があった。一方、美桜にも周りに隠している大きな秘密があり…。新進気鋭の大学生作家が手掛ける、切ない恋の物語。
日本が高度経済成長の頂点に向かっていた1970年、CM業界の末端に位置する弱小制作プロダクションに潜り込んだ吉野洋行・21歳。初めて監督したCMは、思いもしないトラブルに見舞われ苦いスタートとなる。次々と襲い来る困難にも負けず、クリエイターとして一歩ずつ成長していくー。度胸とアイデアで魔物ひしめく業界を駆け上がる、血湧肉躍の冒険譚!
会社を辞め前向きに生きる目的を失った諒と、その隣の部屋に住む百合おばさん。お節介な百合おばさんの言動によって、諒の人生に明るい兆しが見え始める。数えきれないほどの屈託の中で見つけた、本当に大切にすべきこととはー。悩める全ての読者に捧げる、モラトリアム小説。日常の中に溢れる温かな人情を繊細に描いた文芸作品。
江戸幕府250年。 侍の世の終わりに見えたのは、 円く優しい人の世の始まりーー。 押しかけ女房になった成瀬家の姫・澪。夫で、徳川慶勝に忠実に使える陸ノ介。 現代の礎となる激動の時代、翻弄されながらも愛と信義を貫く夫婦の姿を繊細に活写した傑作時代小説。 開国に揺れる幕末の江戸。 成瀬家の美貌の姫・澪は、幼馴染の陸ノ介のもとに押しかけ、妻になった。洗濯も炊事も不得手な澪だが、無口だが優しい陸ノ介を一途に信じ、支え続ける。 高須家の四男である陸ノ介は命の恩人である兄の慶勝とともに ”徳川を終わらせる”難事に取りかかるが、魑魅魍魎が跋扈する幕府と朝廷の狭間で、その運命が定まってゆく……。
安達祐実、村山由佳、尾崎世界観、紗倉まな、今泉力哉、長谷川朗、推薦! 近くて遠い2010年代を青々しく描いた、人気ウェブライターのデビュー小説。 「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」 その16文字から始まった、沼のような5年間。 明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。 世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、"こんなハズじゃなかった人生"に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。深夜の高円寺の公園と親友だけが、救いだったあの頃。 それでも、振り返れば全てが、美しい。 人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。 ドキドキする。好きな人を想うときみたいに。 ーー安達祐実(俳優) 痛くて愛おしいのは、これがあなたの物語だからだ。カツセの魔法は長編でも健在。 ーー村山由佳(作家) どうしても下北沢に馴染めなくて、逃げるように乗った井の頭線。通り過ぎた明大前のしみったれたお前。お前にあの頃出会いたかった。 ーー尾崎世界観(クリープハイプ) ひたむきに生きるとは、こういうことなのだと思う。 ーー紗倉まな(AV女優) 人にフラれて絶望するという経験をせずに死んでいくのか、俺は。と絶望したし嫉妬した。 ーー今泉力哉(映画監督) 「こんなはずじゃなかった」未来を生きている大人は共感しかない。甘い恋愛小説と思って読んで後悔した。 ーー長谷川朗(ヴィレッジヴァンガード下北沢 次長)
身体が老いても、できることはまだあるー。セカンドライフで自分探しの一人旅をはじめた健一は、様々な出会いと別れを繰り返すなかで、新しい自分の一面を発見していく。強くあり続けようとする男の生き様とその最期を描き切った珠玉の小説。表題作ほか、心の傷を乗り越えて凛々しく生きる女性のドラマを描いた「花ある君」を収録。
フリーの校正者・興梠に届いた自費出版小説『縄紋黙示録』の校正紙。それは“縄「紋」時代”に関する記述から始まる不可思議なものだった。読み進めていくうち、貝塚で発見された人骨など、現在にも繋がる共通点が幾つも現れて…。この著者の正体は誰?『縄紋黙示録』に隠されているメッセージとは。やがて興梠たちの身辺でも異変が起こり始めー。多くの文豪たちが暮らし、今も有名学校が犇めく東京・文京区を舞台に、過去と現代、そして未来が絡み合う驚天動地の大長編。
母の病気を機に画家になることを諦めた池本光一は、保険会社のサラリーマンとして働いているものの、絵への情熱を捨てきれないでいた。不思議なことに何もかもが順調だった高校生以降、絵だけではなく恋愛もうまくいかない。「あの頃に戻りたい」そう思った時に目にはいったのは、かつての恋人・亜沙美から預かったままになっていた「幸福行きの切符」。この切符が自分を幸福へと導いてくれるかもしれないー。夢と現実の狭間で葛藤しながらも、「幸せ」の意味を問う純愛小説。
東京の救急救命センターで働いていた、62歳の医師・白石咲和子は、あることの責任をとって退職し、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療の医師になる。これまで「命を助ける」現場で戦ってきた咲和子にとって、「命を送る」現場は戸惑う事ばかり。咲和子はスタッフたちに支えられ、老老介護、半身麻痺のIT社長、6歳の小児癌の少女……様々な現場を経験し、学んでいく。家庭では、老いた父親が骨折の手術で入院し、誤嚥性肺炎、脳梗塞を経て、脳卒中後疼痛という激しい痛みに襲われ、「これ以上生きていたくない」と言うようになる。「積極的安楽死」という父の望みを叶えるべきなのか。咲和子は医師として、娘として、悩む。7万部突破『サイレント・ブレス 看取りのカルテ』、連続ドラマ化『ディア・ペイシェント 絆のカルテ』著者最新作。
30余年前。美樹と京一はクラスの誰もが認める恋人同士だった。しかし美樹は、心療内科医として働く別の男と結婚。そして2年ほど前に自殺してしまったという。作家の“私”は、同級生の死の真相を追いかけるが…。人間の「愛」と「生」の意味に触れる文学作品。
「一週間後、君が生きている確率は4%だ」 突如始まった逃亡の日々。 男は、潜伏キリシタンの末裔に育てられた。 第二次大戦下、”熱狂””悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした「約束」があったーー。 キリシタン迫害から第二次世界大戦、そして現代を貫く大いなる「意志」。中村文学の到達点。 信仰、戦争、愛ーー。 この小説には、 その全てが書かれている。 いつか書くと決めていた。--中村文則
東京都世田谷区の住宅街で投資ファンド会社を経営する中年男性が刺殺され、捜査一課の樋口顕も現場に急行した。警視庁が特捜本部を設置すると、東京地検特捜部の検事・灰谷卓也が現れる。灰谷は野党の衆議院議員・秋葉康一を政治資金規正法違反容疑で内偵中だった。秋葉は殺された男性と大学時代から親しかったらしく、殺害現場付近の防犯カメラには秋葉の秘書が映ってもいた。それらの事実だけを理由に灰谷は秘書の身柄を拘束。樋口は証拠不充分を主張するも、灰谷は独断で逮捕に踏み切ってしまう。自己評価が低く、上司の顔色を窺い、部下を気遣い、家族も大切にするー。等身大の刑事の生き様を照らし出す人気シリーズ、最新作。