出版社 : 幻冬舎
世界がキラキラと輝きはじめる、とっておきの言葉たちがここに!日常の小さな発見、恋のよろこび、思いがけない不思議との出会い…心ときめく宝物がつめこまれた、全63作品の掌編小説集。
少年は後ろめたさを抱えてたぬきになった。亜美は母の命と引き換えに生まれた自分に罪悪感を持っている。火事の恐怖で脳の成長を止めたままのラッキー、2歳まで盲目だった憂いの少女カナデ、育ててくれた伯母を最後まで母と呼べなかった汰央。心に苦悩を抱える子どもたちは、カトマンザの親密な闇の中で自分の本心と向き合い自信を取り戻していく。そして明かされる、カトマンザの存在理由とは。これは記憶の奥に隠された愛を探す、再生の物語。
一人前の忍者として認められ、初の戦へと向かう14歳の樋口尋一のもとに、衝撃の知らせが飛び込んできた。許嫁の杏が何者かに連れ去られたというのだー少年・尋一から、風魔忍者を率いる「五代目・風魔小太郎」へ。はたして彼は、動乱の時代を生き抜き、真実の愛を掴み取ることができるのか。戦国時代に暗躍した「伝説の忍び」が巻き起こす、まったく新しい歴史ファンタジー小説!
都会の農園から、そこで生きる生き物といっしょに田舎の里山に夜逃げしたぎんちゃん。新たに出逢った生き物たち、イノシシさん、キツネさん、タヌキさん、柴犬さん、伝書バトさん、ニワトリさんと波乱万丈の四季を過ごしているうち、お互いを尊重して暮らしていくことの難しさに悩み始めます…。
一年のモラトリアムを経て、大学進学を決意した夏生。物がない、お金がないなかでも、文学サークルに顔を出し、安いアルバイト代で本を読む日々は充実していた。店の常連・玄二と薫子の奇妙な関係や、親友と難聴を患う少女の支え合う姿に、彼は何を思うー。一九八〇年代の情緒溢れる京都を舞台に繰り広げられる、ほの甘い青春物語。
いつか、笑って振り返られる時がくる 将来を嘱望された、愛する息子たちを突然襲った不運。 膨大な日記、メール、手紙を紐解き、真実を追い求めた母が綴った記録。 今の苦しみは、五年後の心のしなやかな強さとなって 今の怒りは、一年後にもっともっと前へ進むための追い風になって 確かに僕の中に息づいて、今も守り導いてくれるんだ だから、今日も自分の魂に祈る どうか、どうか どんな時でも、自分を見失わないように 今、心をかきむしる激しい嵐の中でも、堂々と飛び込めますように 今の全てに、感謝できる人間でい続けられますように どうか、どうか 今の苦しみが、いつか誰かを支える力になれますように (「風の記憶」より)
明日が来るかもわからない日々を、生きていく。内戦が泥沼化していくミャンマー。雑誌記者として訪れた日本人・國分は、国の未来を担う若者が、終わらない戦いに身を投じている現状を目にする。一人の“外国人”としてできることは何かを考えさせられる、ノンフィクション小説。
船が難破し、一切の記憶を失った光。蘭の花が香る清艶な女性に導かれたのは、混沌と秩序がうねり合う“ナーダの国”であったー。神秘の島で解き明かされていく彼自身の正体とは。圧巻のファンタジー小説。
国のため、小さきもの、弱きものこそ生き延びよ。鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争。わずか700の兵で4倍の幕府軍を撃破した片眼片足の不自由な「類稀なる軍略家」伊地知正治。ぼっけもんと呼ばれる激烈な性格で兵を駒として操り薩摩人として勝ち続けてきた伊地知が新時代に目にしたのは、荒廃した土地で貧困に喘ぐ民の姿。大久保利通、西郷隆盛と並び称される勤王の志士の胸に、最後に去来するものとは。
巨大地震発生。地下に取り残された女性は、目が見えず、耳も聞こえない。光も音も届かない絶対的迷宮。生還不能まで6時間。想像の限界を超えるどんでん返し。救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だったーー。崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。
幼いころに母親を失った彬は、人を惹きつける不思議な魅力を持っているが、求められるがまま応じてしまう性格のせいか、自ら人を愛することができずにいた。人生の節目で出会う様々な女性たちと、刹那的で儚い逢瀬を重ねる日々。一人の男として成長を遂げたとき、彬は真実の愛を見つけることができるのかー
末満健一氏による舞台化で話題! 真実と嘘、愛と像、自由と孤独、罪と罰、善と悪、滅亡と繁栄……人間の究極の葛藤を描いた、壮大にして濃密な人間ドラマ。罪を犯さずして、大人になどなれるだろうかーー。1〜9地区まで区分けされた階級社会に生きる16歳のダーウィン・ヤングは、最上位の1区に育ち、トップ校に通う。ダーウィンは官僚の父・ニースに連れられ、ジェイの追悼式に毎年参列している。父の親友であったジェイは、30年前に16 歳で死亡。9地区の人間が起こした強盗被害に遭ったとされているが、犯人は不明のまま。唯一、犯人探しに執念を燃やすのはジェイの姪・ルミだ。ダーウィンは恋心を寄せるルミから、ジェイのアルバムから不自然に消えている写真があり、それが事件の鍵を握ると打ち明けられる。ダーウィンはルミと一緒に謎を解く旅に出るが、そこで明かされたのは、ひた隠しにされていた世界の光景と自身のルーツだった…。
35万部突破の「京大芸人」シリーズ最新刊 菅広文(ロザン)著 『京大中年』、2023年6月8日発売! 『京大少年』刊行から14年。 --すっかり「中年」になりました。 「京大少年」だった二人は、人気者になり、いまや中年。愛され続ける、コンビの秘密とは。 46歳の菅が、過去の宇治原、過去の自分へ手紙を贈る。 現在と過去を繋ぐ“手紙”を通して明らかにされるのは、“京大芸人式”の思考と仕事術。 「好きな人との好きな仕事を続けていくには、何が必要か。どう生きるべきか」の本質を、爆笑しながらしみじみ学べる! 好きな人と、好きな仕事をして、中年になっても楽しく生きるためにーー。 *** 「チャンスを手に掴むのは、風車を動かすのに似ている。まず回せ。一度回り始めれば、力は不要」 「プレゼントをあげるのが下手な人は、良い人が多い」 「燃えている奴が囲ってくる。これが『炎上』の正体でした」 ……など、刺さる!どきっとする!”ロザン的“生きるヒントが満載。 *** 目次) はじめに 教科書がなければ 第1章 18歳の宇治原さんへ 第2章 19歳の僕へ 第3章 20代の教科書 第4章 20歳の宇治原さんへ 第5章 30歳の宇治原さんへ 第6章 30代の教科書 第7章 宇治原さんの両親へ 第8章 40代の教科書 第9章 40歳の宇治原さんへ 最終章 我々の教科書 終わりに 教科書があれば
“読書”の快楽が存分に味わえる、これぞ本格ミステリ。大好きな従姉の転落死に不審を抱く大学生・高文は、彼に片思いするフリーター女子・来宮を“助手”に真相を探っていく。大型猫科肉食獣を思わせる担当刑事・鷲津にあしらわれながら“捜査”を進める高文だが、彼が協力を依頼した人が次々と殺されていく。一体、何がどうなっているのかー?
常陸国、現在の茨城県にて権勢を誇った佐竹氏の二十代目当主・義宣。小田原の陣で豊臣秀吉に臣下の礼を執るものの、揺れ動く時代と権力争いの波に呑まれていくー諸侯蠢く戦国の世を克明に描いた、渾身の一作。
感染症研究者の岸辺弘は、鳥インフルエンザウイルスの変異実験が成功したというニュースを目にする。時を同じくして飛び込んできた、新型ウイルスによる死亡例の報告。自然発生か、はたまた人の手によるものか。起こりうる未来へ警鐘を鳴らす、社会派医療小説。
富山の市街地が焼夷弾により焼け野原となったのはたった80年ほど前のこと。この悲惨な出来事を風化させてはならぬと、語り部として人々へ訴え続けた一之瀬文子。病に冒された文子が孫の華音やその教え子たちに最後に伝えたかった本当の思いとは。