出版社 : 小学館
最小で最弱の情報機関(ヒトなし、カネなし、武器もなし!)公安調査庁に迷いこんだマンガ大好きオタク青年、国際諜報戦争で大金星!?諜報後進国に現れた突然変異種のインテリジェンス・オフィサー。本邦初の脱力系インテリジェンス小説。
メキシコ、オアハカ。天涯孤独、90歳のマルおばあちゃんは、手作りのお菓子アルファホールを売ってつましく暮らしていた。ある日、遥か昔に別れた一人息子がすでにこの世にいないこと、そして自分に孫息子がいることを知る。マルは自分の人生の環を閉じるべく、青いおんぼろ自転車で孫をさがす旅に出るー
台湾の新世代作家、堂々のデビュー! この小説はプロレスについて書いている。 それはつまり、人生について書いているということだーー西加奈子(作家) 知りたかった事が書いてあった。みんなの生活の中でのプロレスの存在意義。 そうか。プロレスラーは記憶の中で、画面の中で生き続けるんだなぁーー棚橋弘至(プロレスラー) 【作品紹介】 「ばあちゃんのエメラルド」 あの頃、親父は漁船に乗っていつも家を空けてるし、お袋も出て行って、家にいるのはばあちゃんと 俺、それに黒犬の来福の3 人だけだった。ばあちゃんと俺は毎晩、古い試合を何度も繰り返し放送する ケーブルテレビで三沢光晴を応援していた。だけど、俺はある日、とんでもないことを知ってしまったんだーー。 「タイガーマスク」 安ホテルの受付バイトをする大学四年生(留年決定)の俺は、バイトの先輩からなぜかタイガーマスクのマスクをもらう。ホテルに“ 配達” される女の子の一人が気になり、ある日、意を決して隣のホテルに彼女を呼んだ。でも、俺にできたのはマスクをかぶったまま彼女としゃべり続けることだけだった。 ーープロレスと出逢い、魅せられた人びとの人生ドラマ10話からなる連作短編集 【編集担当からのおすすめ情報】 本作品は、2016年に台湾で出版されました。著者の林育徳氏は、台湾を代表する作家・呉明益氏に師事する新世代の作家で、本作品にてデビューしました。言うまでもなく、熱烈なプロレスファンです。 台湾ではプロレスはメジャーとは言えず、興行も限られています。ファンが日頃、接するのは日本や米国の興行の衛星中継やケーブルテレビによる再放送です。そうした制約がありつつも、プロレスファンはそれぞれの方法で「愛」を深めていきます。 たとえば、18回台北文学賞小説部門大賞を受賞した「ばあちゃんのエメラルド」は、三沢光晴氏の試合を楽しみにする「ばあちゃん」が描かれています。 三沢氏は、2009年に物故されています。 「ばあちゃん」はその事実を知らず、再放送の映像を見ながら、三沢氏への熱を持ち続けるのです。主人公の孫はネットで悲報を知ったものの、その事実を「ばあちゃん」に伝えられずーーといった物語です。 そのほか、台湾のインディーズ団体を題材にしている短編もあり、台湾という島国でいかにプロレス文化が華開いているかがよくわかります。 本書の各話は独立していますが、花蓮がモデルとされる地方都市を舞台として、緩やかに繋がっています。台湾のローカル文化に関心がある方にもオススメです。 著者まえがき 退任の辞 タイガーマスク 西海広場 紅蓮旅社 無観客試合 テーブル、はしご、椅子 ばあちゃんのエメラルド オレンジアナウンサー失踪事件 パジロ 青い夜行列車 訳者あとがき
「ワシは幸せ者だよ」 魔王。 それがワシ、ガルトー・リューゼンの職業だ。妻と死別してからは、仕事一筋の毎日ーーだった。ひょんなことから女勇者アンジェリカの母親レイティアさんと再婚し、ワシたちは三人の家族になった。 レイティアさんのおめでたが発覚し、家族として新たな一員を迎えるのを待ち望んでいた。そんな中、レイティアさんの体に異変が起こり、ワシとアンジェリカは二人で解決のため冒険へ。そしてついにその時が……。 「落ち着かないわ!」 「えぇい、落ち着かんか。ゆっくりとかまえていればいいのだ」 「ねえ、どんな子が生まれるのかな?」 「そりゃ、レイティアさんの子だから、かわいいに決まっている」 「そんなことぐらい、わかってるわよ」 最初に出会った時にくらべ、よく成長できたのではないか。ワシもこいつも。レイティアさん、二人で赤ん坊もしっかりと支えていきます。 家族に新たな一員が加わり、相変わらずにぎやかな家族だ。ワシは素晴らしい家庭を築けているだろうか? ……家族の顔を見れば、自然とそれが答えかもしれんな。 いよいよクライマックスの異世界式アットホームコメディ、第4巻 【編集担当からのおすすめ情報】 アニメ化決定の『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』や、ガガガ文庫『物理的に孤立している俺の高校生活』の森田季節が送る、再婚魔王の異世界式アットホームコメディ第4弾!「マンガワン」にて連載中のコミカライズ(漫画:郁橋むいこ)もシリーズ好評発売中です!
潜入任務。王族を狙う刺客たちの影。 エレナの裏切りの真相を知るためにハルジオン王国でのスパイ任務を開始したエリックたち一行。捜査を進めていくなかで、闇での奴隷取引など王国の闇が見え隠れする。 一方、ベゴニア王国からは先のリンドウ帝国の襲撃を知らせてくれたハルジオン王国への礼を伝えるべく、レオナルド国王、クリストファー王子直々の訪問が執り行われていた。 すでにその情報は知れわたり、両者の暗殺命令が王国を駆け巡る。 エリックたち一行は、国王、王子の命を守りつつ、エレナに再び会うために、死力を尽くすのだった。
三人の女性の緊迫した“心理劇” 「あんたの中に、怒りの子が見える……人のうちに、潜んでる、外から見えんけど、何処かにいる、人の奥のほうに。」 自分自身のやりたいこと、望んでいることなどが定まらず、ビジネス学校に通いつつ悶々とした日々を送る主人公・美央子。美央子が姉のように慕う、どこか浮き世離れした雰囲気を持つ初子。そして美央子と同じアパートに住み、親しくするそぶりを見せながら、いちいち美央子の感情を逆撫でしていくますみーー。3人の感情は、初子の義弟・松男の存在を触媒として、大きく揺れ動いていく。 人間の心情を、平易な言葉を使いつつ、豊かな描写力で見事に描ききった、第37回読売文学賞受賞作。
名峰ドライチンネで遭難死したイタリア人ガイドの娘・マリアは、ガイドのバディーであった日本人・鳥羽省造の元に引き取られ、2歳上の双子・博、豊とともにすくすくと成長する。10歳だった少女は、双子と同じく山登りが大好きな美しい女性になり、やがて省造が勤める会社のマスコットガールを務めるまでに。一方、大学生になっていた博と豊は、マリアへの募る思いを抑えることができず、ほぼ同時に愛を打ち明ける。ふたりのどちらかを選ぶことができないマリアは、タレント活動に没頭する日々を送るが、ある日、博と豊が北アルプスで遭難したという知らせを受けてー。きょうだいだが恋愛も結婚もできるという微妙な関係にある3人が織りなす、山を背景とした濃厚な人間ドラマ。
第2回「日本おいしい小説大賞」受賞作! 「お前の売りは何だ?」「私にはカレーしかありません!」----。 古びた喫茶店の装いながら、本格的なスパイスカレーを出す「麝香猫」。そこで働く山崎成美は調理師学校に通う19歳。成美は幼い頃に両親が離婚、育ててくれた祖母も失踪してしまい、天涯孤独の身であった。 そんな彼女の運命を変えたのは、小学校の先生が作ってくれた一杯のカレーライス。成美はその味を自分でも作りたい一心で調理を始め、カレーの奥深さに戸惑いながらも、ようやくきっかけを掴みはじめていた。しかし突然、ある事情から「麝香猫」が店を閉めることになってしまい……。 理想のカレーを追い求める少女と人々の人情が織りなす、おいしい×青春×お仕事小説! 【編集担当からのおすすめ情報】 カレーの街、神田・神保町発の受賞作! 巻末にはスパイス料理研究家・印度カリー子氏による特製カレーレシピも収録。 読んで楽しい、作っておいしい1冊です!
ソ連軍侵攻直前の満州を、ユーモラスに描く 昭和19年、いわゆる“三文文士”の木川正介は、永く喘息と神経痛とを患っており、招集も受けずにくすぶっていた。そこへ、某開発公社の嘱託の話が舞い込んできて、厳寒の満州に赴くことに。物資不足などで環境は厳しいものの、内地にいるより自由がきく日々をそれなりに楽しんでいた正介だが、突然、召集令状が舞い込んできてーー。 戦争に対しても、上官に対してもシニカルに見る姿勢を保ちつつ、現地の人々との交流など満州での日常を、生々しくユーモラスに描いた傑作長編小説。第13回芸術選奨文部大臣賞受賞作。
老夫婦の穏やかでかけがえのない日々を描く 「もうすぐ結婚五〇年の年を迎えようとしている夫婦がどんな日常生活を送っているかを書いてみたい」(あとがきより)--。庭に咲く四季折々の花々、かわいい孫たちの成長、ご近所さんが届けてくれる季節の風物など、作者の身のまわりの何気ない日常を、まるで花を育てるように丹念に描く。 「棚からものが落ちてきても、すぐには反応できない」「歩くスピードが明らかに落ちた」などという老いの兆候も、戸惑いながらも受け入れ、日常の一コマとして消化していく。事件らしい事件は何も起こらないが、些細な驚きの積み重ねで読み応えある文学作品にしてしまう、まさに庄野潤三の世界。
唯一無二のリアルタイム・ミステリー 映画化もされた大ヒット作『スマホを落としただけなのに』で有名な気鋭のエンタメミステリー作家の最新作は「リアルタイムパパ活ミステリー」。 生活苦に悩む大学生の咲希が美人でやり手のパパ活女子・里香に誘われてパパ活に足を踏み入れるAパート(平成30年6月から)と女性週刊誌で働きながらもファッション誌への憧れを棄てきれない編集者の友映が女子大生連続殺人事件の犯人を追うBパート(令和2年2月から)から成り立つ小説です。 恐ろしくもきらびやかな「パパ活」の世界で起きる不可解な事件に加え、時系列ですすむ物語には「コロナウイルス」「芸能スキャンダル」の影響が。 読めば2020年を感じられる、1粒で3度おいしい唯一無二で至高のエンタメ小説です。 【編集担当からのおすすめ情報】 2020年を締めくくるにふさわしい至高のエンタメ小説! メインのパパ活女子にまつわる事件はもちろん、「コロナ」「カルロスゴーン」ほか、小説内にちりばめられた2020年を表すキーワードは必見。1冊読めば「いま」がわかる。
緑内障、高血圧、関節症、肥満、アトピー…。患者と家族の一大事は、ごくありふれた病気から始まった!規格外の名医青島倫太郎。メスを入れるのは、病気でこじれた人間関係!次の患者はあなたです!!
戦争と女性の幻影に翻弄される異母兄弟たち 従軍経験を持ち、サンドイッチ店の創業者として成功を収めた忠一郎と、終戦の翌年に生まれた新聞記者の異母弟・良也。世代も価値観も違い、まったく別の人生を歩んできた二人だが、ともに若い頃に愛した人の幻影を追い続け、またかつての戦争にこだわり続けていた。 忠一郎は弱肉強食の経済戦争と自身の従軍体験を重ね合わせて精神的に疲弊していき、良也は昔の恋人・茜が失踪してしまったのは、茜の父の戦争体験が関係していたことを知るーー。 実業家でもある著者らしく、戦後の経済成長や、企業間の争いを交えつつ、戦中・戦後派が引きずる戦争の暗い影を描いた大作の完結編。
物置小屋で生まれた名私小説9篇 小田原の魚商の長男として生まれた著者・川崎長太郎は、家督を弟に譲り、文学の世界へ。たびたび東京暮らしを経験するが、30歳になる頃、小田原の海岸にある実家の物置小屋に住み着き、物書きのかたわら私娼窟通いを続けるーー。そんな著者の尋常ならざる日常を切り取った、味わい深い私小説集。 「淡雪」「月夜」「浮雲」はうだつの上がらない物書きとのつかず離れずの関係を、若い小田原芸者の視点で描いた佳作。映画監督・小津安二郎(ここでは「大津」として登場)と、「小川」として登場する著者、そして小田原芸者との三角関係を描いた、いわゆる「小津もの」のひとつ。 そのほか、実家で働いていた奉公人を描いた「ある生涯」、著者を批判し続けるが薬物におかされてしまった友人を描く「ある男」など、全9篇を収録。
2021年へ!時代を貫く親子三代の物語 スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う80歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は・・・・・・東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。 51年前ーー。紡績工場で女工として働いていた万津子は、19歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。 泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていてーー。 1964年と2020年、東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作!前作『あの日の交換日記』が大好評!!いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!! 【編集担当からのおすすめ情報】 今作は、半分は母・万津子が青春時代を過ごした1950年代、60年代を舞台にしています。紡績工場の女工たちの過酷な労働や、炭鉱で働く男性たち、夫から虐げられる女性の日常が、鮮やかに、ときに生々しく描かれていきます。 万津子が話す大牟田弁は、著者の大牟田出身のお祖母様が監修してくださったとのこと。さらに当時のことをたくさん取材したという当時の背景描写も相まって、20代の著者が書いたとは思えないリアルさには、どこか懐かしさすら感じられるほどです。 景色も価値観も、めまぐるしい速度で変化していく東京。女性の社会進出や、LGBTQ、人種問題など、個性の在り方、捉え方は、日々アップデートされていきます。この作品は、時代とともに変化する生き方の指針にもなる傑作だと思っています。(このあたりはネタバレになってしまうので、ぜひ、読んでお確かめください!) 2020年の東京オリンピックは幻の中に消えてしまいました。明るい未来を2021年に託し、この作品を送り出したいと思います。 辻堂さんがひときわ力を入れて書かれた今作が、さらに次の世代へと読み継がれる作品になりますように。祈りを込めて編集しました。ぜひ、お手にお取りください
妻・お龍との愛を軸に描く新時代の龍馬伝 時は幕末。京都七条新地の旅館<扇岩>で働く楢崎龍(りょう)は、勤皇の志士の隠れ家で、土佐の坂本龍馬と出会う。龍馬はお龍に惚れ込み恋文を送り、後に祝言をあげる。その後西郷隆盛にあった龍馬は、薩長同盟締結に至る。しかし伏見奉行所の捕り方に襲われ、お龍の機転で間一髪命を救われる・・・。 龍馬の激動の人生に、お龍はどう絡んでいったのか。 龍馬がお龍に送り続けた恋文の中身はいかなるものだったのか? 「妻はくの一」「耳袋秘帖」シリーズなどで人気を博す風野真知雄が挑んだ、新時代の龍馬伝誕生。
これが、人生の罰ゲーム。 葉山の別荘で結婚パーティーの最中、カリスマブロガーの月村珠里亜が倒れ、昏睡状態に。心理カウンセラーの麻乃紀和は、死んだ息子を陥れた珠里亜に復讐を果たすべく、彼女の身辺を調べ始める。 そんな折、四谷の超高級マンションで発見された8体の惨殺死体。珠里亜の過去を追う紀和が辿り着いたのは、2002年に六本木のマンションで8人の子供たちが監禁された”モンキャット事件”だった。事件の鍵を握る人物として浮上したのは、”オザワ”という名の謎の女でーー 取材する記者は皆”消される”というモンキャット事件の真相とは!? マルキ・ド・サドの禁書『美徳の不幸』にオマージュを捧げ、現代に蘇らせた超絶イヤミス!! 【編集担当からのおすすめ情報】 真梨幸子史上もっとも酷いことが起きる、危険なミステリです。
100人の英雄を育成し、邪神との戦争を終わらせた預言者アイゼンは、冒険者として活動を始めた。英雄であり、様々な役職に就く弟子たちに、お忍びで挨拶しながら、世界を周遊して楽しもうと決めたのだ。そしてアイゼンは、新たな街、魔法都市へとたどり着く。そこで仕事をしているという弟子の一人に挨拶しようとしたのだがー!?アイゼンは、新たな街にやってきても、人ならざる者も優しく助け、慕われていく!万物に慕われまくる最強師匠の冒険ファンタジー第3弾!!
”本物”のハンターVS最強の敵!? 北海道でハンターをやっていた僕、中島進。 異世界に召喚されてから、いろんなことがありました。エルフ嫁のサランと結婚し、たくさんの人たちと出会い、ハンターとして無理難題な依頼を押し付けられる。連続貴族暗殺事件なんてことにも巻き込まれましたが、どうにか解決することが出来ました。ようやく日常に戻れる……と思ったら、次はゾンビ退治!? さすがに無理ですってナノテスさん! さらにはプテラノドンやティラノサウルスといった、現実世界では絶滅したはずの恐竜となぜか戦うことになりーー。 実銃ウンチク&狩猟知識満載。頼れるエルフ嫁と送る異世界ライフ、ついに完結!
ロメリアはかつての仲間と戦場で邂逅する。 魔王ゼルギスを倒して三年後。ロメリア達は戦いを続け、たくましく成長していた。 ロメリアが戦場を駆け、アルが炎の槍を振るい、レイが空を舞う。ロメリア騎士団は次々に魔王軍を打ち倒し、国内に残っていた敵を一掃していく。 だが魔王軍が拠点を置くローバーンでは、特務参謀のギャミが魔王の実弟ガリオスと共に、新たに策謀を開始する……。 一方、アンリ王と結婚し、王妃となり二児の母となった聖女エリザベートだったが心の休まる日はなかった。政敵であるザリア将軍がアンリ王の政務を妨害し、エリザベートの養父であるファーマイン枢機卿長は利権を貪り、王国の財政を圧迫させているのだ。彼女は二人の子供のためにも、夫であるアンリ王を全力でサポートする日々を送っていた。 そんなある日、王国に新たな魔王軍襲来の急報が入る。 南と東に現れた魔王軍に対処するため、アンリ王が南へ、エリザベートが東へ向かう。 エリザベートが向かった東ではロメリアが魔王軍と交戦しており、二人は三年ぶりに再会する。 過去の遺恨もあって再会に戸惑う二人だったが、そこへ魔王の実弟ガリオスと特務参謀ギャミの残虐な罠が襲い掛かる……!