出版社 : 双葉社
「神」とまで呼ばれた天才少女はなぜ、自身の手がける舞台の上演中に死んだのか? 演劇女子学校に入学した結城さやかは、劇作家を目指している。同学年には同じく劇作家志望で、学内一の天才と謳われる設楽了がいた。了は俳優の能力を引き出し、観客を魅了する舞台を作り上げる卓越した才能をもっていた。了の手がける舞台に上がりたい、了に認められたいと俳優志望の生徒達はこぞって渇望する。次第に周囲から「神」とまで崇められた了は、横暴な振る舞いをしても良い舞台を作るためだと許された。しかしそんな了は突然、自分の手がける演劇の上演中に舞台から転落死する。不幸な事故だと片づけられたが、翌年の春に入学してきた新入生・藤代貴水は全校生徒の前で高らかに宣言した。「わたしは、設楽了の死の真相を調べに来ました」--さやかは貴水に巻き込まれる形で、了と生前の関わりのあった生徒を調べることになり・・・・・・演劇を愛する生徒達が内に潜んだ「殺人者」を暴き出す、眩く鮮烈な学園ミステリー!
2024年8月、パリ五輪閉幕直後にアメリカ西海岸大地震が発生。28年のロサンゼルス夏季五輪開催が困難となり、東京代替案が浮上。スポーツマネジメント会社社長の猪野一斗は東京五輪2028の開催に奔走することに。汚職に塗れてしまった2020年大会のリベンジを果たすことはできるのか。予算10分の1、画期的なIT技術の導入、史上最大の1000億円クラファンーースポーツの未来を切り開くため、猪突猛進のサラリーマンがあらゆる妨害と困難を乗り越え、「夢の祭典」を再生する。逆転と感動の企業エンタメ小説!
大学生の琴葉は、飲み会の後にお持ち帰りされそうになっていたところを助けてくれたシマくんにひとめぼれする。すげないシマくんに振り向いてもらうため、彼が傾倒している「本当に障る話」の調査を手伝う琴葉だが、どうやら琴葉は霊や怪異を寄せる体質らしく、いつも命の危険があるような危険な目に遭ってしまう。 その度に大いに反省し、もうやめようと思うのだが、シマくんの素晴らしく良い声で誘われるとどうしても誘いを断ることが出来ないのだったーー。ホラー小説界最注目の才能が放つ新感覚のエモーショナル・ホラー!
平成を舞台に、甚夜と同じ高校に通う藤堂夏樹を主人公にした「鬼人幻燈抄シリーズ」のスピンオフ番外編。夏樹はなぜか子供の頃から都市伝説に遭遇する機会が多く、高校生になっても怪異に巻き込まれてばかり。今回は、「ぽぽぽ…」と不気味な声を発する八尺様に目を付けられてしまった。子供を連れ去って殺すと噂される都市伝説だが、夏樹は無事でいられるのか!? くねくね、口裂け女、メリーさん……数々の怪異譚を斬新な解釈で綴った、少し怖くてどこか切ない短編連作集。
伯爵を伯父に持つサンドラは、王城で使用人として働いていた。ある日、熱中症で倒れている騎士の青年を介抱したサンドラは、後日、離宮から呼び出しを受ける。そこで待っていたのは、サンドラが介抱した騎士の青年こと、魅了の力に悩む第二王子・パーシヴァルだった。魅了が効かないサンドラに驚くパーシヴァル。サンドラは、自身の出身地、エドモンズ伯爵領の『伯爵領で暮らす男性は皆マッチョになる』という特殊な事情が原因ではないかと告げる。それを知ったパーシヴァルは、サンドラに契約結婚を申し込むがーー!?
隣国の第二王子であるシルバートと結婚したことにより、日常ががらりと変わったアストレア。少しでも役に立てるよう健気に努力するアストレアと、気を張りすぎないよう心配するシルバートの間には徐々に深い愛情が芽生えていた! また王族の一員として頑張るアストレアを見てシルバートにもある心境の変化と決意があらわれてーー!? 人並みの幸せを夢見る無能聖女と真実と未来を見抜く王子によるシンデレララブストーリー!
門兵として働く、しがないモブ兵士ーー実は最強の兵士だった!? ある日、シルヴァは生前ドはまりしていたゲーム内のモブ兵士へ転生したことに気づく。 危険な世界で身を守るために、ゲーム知識を使って最強に至るも、シナリオを乱さないために真の実力を隠していた。 しかし、ひょんなことから勇者でも苦戦する強大な魔族を、あっさりと斬り倒してしまう。 しかも、推しヒロインの目の前で……。それを機に彼の実力は次第に知れ渡ってしまいーー!? 推しのために、最強のモブ兵士が実力を発揮するヒロイックファンタジー!
臼原市で死体遺棄事件が起きた。女性の遺体は強姦の跡があり身体の一部は切り取られている。数日後、再び臼原署管轄内で女性の惨殺遺体が発見される。捜査本部の刑事・八島武瑠は約二十年前に東京の三鷹市で起きた連続殺人事件との共通点に気づいた。時を同じくして武瑠の従弟・願示が接近し、独自に調べて分かったという「真相」を話し始める。二十年前の事件の犯人は亡くなった双子の弟で、臼原の事件はその模倣犯によるものだー。今回も身内の犯行かもしれない。武瑠は次第に追い込まれていくが…。機能不全な一族の罪の繋がりを描いたサスペンスミステリー!
「ヤクザの子どもである過去は消せない。ならば、ヤクザそのものを潰せばいい」--正範と寅。ヤクザである父を持つ二人の少年は、過酷すぎる十代を過ごし、それぞれにヤクザへの復讐を誓う。正範は猛勉強の末、検察官になり、暴力団取り締まりの最前線へ。そして寅は・・・・・・。二人の少年がたどり着いた結末とは!? 現役弁護士作家が描くヤクザ小説の新境地。
公爵家のロゼリアは侯爵家次男ステファノを婿に迎えた。しかし結婚して半年経ったある日、ロゼリアの父が馬車の転落事故にあったという知らせを受ける。動揺するロゼリアを優しく支える夫・ステファノだったが、彼のいれてくれたお茶を飲んだ途端ロゼリアは吐血した。毒が入っていたのだ。苦しむロゼリアにステファノは「安心して死んでくれ」と告げ、ロゼリアの人生は終わった──はずだった。再び目覚めた時、ロゼリアは幼い姿になっていた。「私は生き返ったの?」そうして始まった二度目の人生には新しい恋が待っていた。
獣人たちの暴動を、獣王様が収めた直後に見つかった氷漬けの不審者は、ユーシェが捕らえたものだった。大切な場所を侵されたユーシェは怒り心頭! そんなユーシェをなだめるべくネマは、氷のオブジェで部屋の飾りつけを提案する。 魔物っ子たちとも一緒に楽しく雪遊びをしていたネマだけれど、一方で聖主の正体を探っていたヴィルヘルトは、初代国王が記したらしき不思議な書物を発見。 見せられたネマは気づいてしまった。「これは……漢字っ!?」 大人気異世界もふもふファンタジー、急転直下の第17弾!
ナナポン(横川ナナカ)を誘拐した敵をアメリカのエージェント、ハリーとクレアに協力してもらい、倒したエレノア。千キロのアイテム袋が売れて大金を手に入れたり、カエデちゃんと同棲を始めたりと順調な生活を送っていたーー。ある日、レベルが上がって錬金できるアイテムが増えた沖田は素材を採るべく、クーナー遺跡へ向かう。そこで以前、一度会ったことのある三枝ヨシノに出会った。そこで、突然一緒にパーティーを組まないかと誘われる。しかも、ヨシノは沖田がエレノアと何かしら関係があると疑っていてーー!?
還暦を過ぎた居酒屋店主の円堂のもとに、バブル時代、不動産売買で荒稼ぎをした盟友から電話が入る。当時、「地上げの神様」と呼ばれ、バブル崩壊後、姿を消した二見興産の社長の愛車で、20億円の価値があるクラシックカーの目撃情報が入ったという。二見は失踪時、愛車とともに円堂が結婚を考えていた君香という女性を連れ去っていた。20億円の名車をめぐってバブルの亡霊たちが蠢き出すなか、円堂は真実を知るため、かつての恋人を捜しはじめるー。
奥多摩の、太古から神を祀ってきた霊山・御嶽山の上にある村。そこにある神官屋敷は浅田氏の実家である。彼が少年だったころ、美しい伯母から聞かされた怪談めいた夜語り。それは怖いけれど、美しくも哀しく、どれも引き込まれるものばかりだった。これら神主の家に伝わる話を元に脚色して書かれた短編を編み直し、単行本未収録作品「神上りましし諸人の話」(あとがきにかえて)と、書き下ろし作品「山揺らぐ」を加え、完本とした永久保存の決定版!
大学の客員教授、久和が窃盗と公務執行妨害の容疑で逮捕された。運転する車の中から、血の付いた他人の財布が発見されたのだ。久和は内閣府が設置する経済財政諮問会議に参加したこともある経済政策通だが、警視庁志村署の佐久間に対し「公務員を信用していない」と言い、取調べは進まなかった。一方、財布の持ち主を捜していた志村署の中田は、フリーライターの菊池に行き着く。菊池は交通事故を探っていたが、その事故には財務省のある人物が絡んでいた。
翌月に結婚式を控えていたタイミングで、婚約を解消されてしまったジョアンナ。傷ついた彼女の元に、「義妹の代わり」として新しい婚約話が舞い込む。相手はリネハン辺境伯家のヴィンセント。 彼は数年前に受けた毒の影響で、醜い姿になっているそうだ。 不安を抱えながらリネハンへ向かうジョアンナだったが、婚約者からも周りからも溺愛され、おまけに何の役にも立たないスキル【ログインボーナス】に大きな変化が起こり…。
ある男がちょっとした前世の記憶を持って、農家の末っ子の少年レイトとして異世界に転生した。定番の知識チートをして活躍しようとしたが、持っている知識が乏しい上に子供だからと誰にも相手にされない。また、普通に生活しようにも、家族には虐げられ酷い扱いを受けていたレイト。彼はスキルとステータスを授かる7歳になると同時に家から逃げて冒険者として生きていくことにした。ゆるーく冒険生活をしていくはずが、色々あって仲間になった元衛兵のコクシン、ヘッポコ薬屋のラダと共に様々な騒動に巻き込まれてしまい……。
自身が異世界で魔術師だった前世を思い出した鏡平は強大な魔法の力を手に入れるも、この現実世界では何の役にも立たなかった。なら、前世にいた異世界に戻ればいいと鏡平はタイラーとして異世界で冒険者をはじめることに。強大な魔法の力で気ままに冒険者として過ごすことにしたタイラーだったが、ある日街で一番のパーティー『戦乙女』のリーダーエルザから「あなたの秘密を知っている」と告げられ……
新橋の立ち呑み居酒屋「あじろ」の常連でマドンナだった真由美が、突然失踪してまう。心配した常連客と店主が彼女を捜し始めると、その美貌と笑顔からは計り知れない邪悪な一面が見えてくる。偽りの職業、パパ活斡旋、恐喝……常連の和歌子は彼女の本性を知って逡巡するのだが、真由美は殺されていたことがわかり、あじろに不穏な空気が漂いだした。犯人は常連客の誰かなのか。平和で楽しいはずの酒場の人間関係に何があったのか。大藪春彦賞作家の鬼才が描く、人情と愛情の居酒屋サスペンス!