出版社 : 勁文社
ひょんなことからAVの脚本を書くことになった売れないマンガ家大日向陽。AV界の大御所文字監督に無理やりいわれ、陽は脚本どころか出演まで引き受けるはめになった。カラミの相手は陽にぞっこんの美少女クララ。ロケのためひなびた温泉宿にやってきた一行は、さっそくベッドシーンから撮影を開始したのだが、そんなかれらの目の前で怪異な現象が…。知らずに化物屋敷に足を踏み入れてしまった陽とクララたちを襲う亡霊の正体は。書き下ろし長篇サスペンス。
ミステリー小説翻訳家の黒部滋人は、旧友ヨナスらとキャビン・クルーザーに乗り込み、ノルウェーの港町ベルゲンからフィヨルドの景観を楽しむ船旅に出た。だが、ソ連国境近くのバレンツ海にさしかかった時、突然、前方にソ連の巨大原子力潜水艦が浮上。その瞬間から黒部は熾烈な国際謀略戦の渦中の人となった。長篇スパイアクション。
東京の高級住宅街広尾。児童公園で出稼ぎの地下鉄工事従事者の他殺体が発見された。渋谷署の新米刑事・清水は、現場に残された車輪の跡を手掛りに、営団地下鉄の協力を得て、捜査を開始。その直後、同じ広尾で殺人が発生し、被害者にまつわる意外な証言が、二つの事件を関連づけてきた…。地下鉄道網を舞台にサスペンスタッチで描く長篇推理。
ストリッパー専門の芸能プロ社長、佐川が失踪した。かつての恋人である佐川の妻から捜索を依頼されたプロ格闘家の二階堂猛が、まず女ぐせの悪い佐川の性格に目をつけたのは、ごく自然の成り行きだった。その結果、佐川が手をつけた踊り子たちの中で、ケイ南だけが写真などいっさいの手街りを処分して消息を断っているのが判明した。その矢先、秋田で一件の殺人事件が発生した。凶器は猟銃、所有者は佐川だった。否応なしに事件にのめり込んでいく二階堂-。彼の鉄拳と推理が暴き出すものは。書下ろし長篇ミステリー。
一九四七年の春。東京軍事裁判の資料調査を委嘱されていた呉景雄は、仕事の息苦しさから辞職を願い出、空路シンガポールへ帰国の途についた。やがて飛行機は広州上空を通過、眼下に点在する島々が彼の眼に映じた。思えば十五年前、彼はそこで白磁のような膚をもつ海賊の女頭目と夢幻の日々を過ごしたのだった。動乱の歴史の中にはかなく潰えた桃源の地を回想する表題作ほか、秀作四篇を収録。
白衣の下で疼く花芯、美沙子の細く白い指が密やかに息づく処女地にそっと触れたとき、未だ開かれたことのない花唇が甘いため息を洩らす。望みどおりドクターの硬く熱り立つ剛直を受け挿れた美沙子は、もう男なしでは生きていけない。
恋人のために守りとおしたバージンを、老獪な大物政治家と病院長に無残に散らされた看護婦・優香子。薄暗い地下室で両手を縛られ、無慈悲な凌辱に涙する美人処女。復讐を誓う優香子は、院長令嬢・ゆかりに親娘相姦の罠を仕掛ける。疼く花芯をしとどに濡らし、ゆかりと優香子の“女”が目を覚ます。
平安京に都が移り二百年ほどの時が流れた頃。かつては様々な種族が互いに覇権を争ったこの国も、朝廷によってひとつに統一され、藤原氏の摂関政治の下華やかな王朝絵巻がくり広げられていた。しかし、昼の華やかさとは裏腹に、漆黒の闇に沈んだ夜の京を支配していたのは、どこからともなく現われる野盗、妖かし、魑魅魍魎共であった。人々は、いつしか「平安の京には鬼が出る」と囁き、夜の闇を怖れていた。上総の国守源頼光、渡辺綱主従に、帝よりの勅命が下ったのはちょうどそんな頃であった-。朝廷側の尖兵として「鬼」との壮絶な戦いに巻き込まれていく男達の運命を、新鋭が鮮烈に描くファンタジー伝奇ロマン登場。
独身商社マン・南部良平は、仕事は有能かつハンサム。非の打ちどころがない男なのに、いざ結婚となるとなぜかうまくいかない。一計を案じた良平は、結婚前に、様々な女を徹底的に研究しようと決心するが…。長篇官能ロマンPART1。
夕子とゆかりは、イマドキの女子大生。バイト先で知り合った旅行代理店の吉村から、いまいちばんトレンドなリゾート地、タイ・プーケットへの旅行をプレゼントされた。だが、二人は穴うめ要員として、偽名を使うことが条件だった。不審を感じつつも、プーケットに出かけた二人。そして旅を満喫しようとした矢先のこと、吉村が殺された。しかも、彼は旅行代理店の人間ではなかったのだ-。軽い気分でリゾートしたはずの女子大生が遭遇した連続殺人事件の真相は?著者が新境地に挑む書下ろし長篇トラベルミステリー。
レスビアンの私は、楚々とした美女・高子に女同士だけが味わえる恍惚の味を教え込んで恋人にした。だが、高子は男のもとへ走り、やがて私は拾てられた。相手が男であることで凄まじい嫉妬に陥った私は、高子を殺そうと決意するが…。嫉妬が生み出した奇怪な犯罪を描く表題作をはじめとする異色官能サスペンス集。
中ソ間の熱核戦争によって、無人の荒野と化した北米大陸。その中央部にある小さな街、デザート・シティ。そこには、軌道上に電力を送るための巨大な螺旋形の塔が建設されつつあった。隅然、砂漠の中で酒場の女主人マギーを野盗の群れから助けることとなった〈バイロン〉は、タワー建設によって“デウス”に取り入ろうとする日系企業ラコム社と中国系マフィアのボス、ジョニー・ウォンとの争いに巻き込まれていく。おりしもバイロン抹殺の使命を帯びた美貌の女スーザンも、彼を追い軌道上からこの街へと向かいつつあった-。愛と欲望の渦巻く街を舞台に、一人の男と軌道上の超国家企業の死闘を描くシリーズ第二弾。