出版社 : ポプラ社
「子どもか、大人でも子どものような心の持ち主。もしくは友達が少ないか、まったくいない人物」のみにアオゲラとコゲラの話し声が聞こえる。小学生・サトミが持ち込む謎をあっと驚く推理で解決する名探偵は、鳥ー。ウィットに富んだ会話も魅力のユーモアミステリー!
大阪で曽祖父の代から続くワイナリーを営み、発展させてきた母が亡くなった。美しく優秀な母を目標にしてきた姉の光実と、逃げてばかりの人生を送ってきた弟の歩は、家業を継ぐ決意をする。四季の巡りの中、ワインづくりを通し、自らの生き方を見つめ直していく双子の物語。
たくさんのユニークな人々が暮らし、日々さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。にぎやかな商店街の裏には、真っ赤な車が看板代わりの駐車場“カーポート・ウィート”があるのです。若社長・すばるちゃんが営むカーポートを訪れるのはいろんな車。ときには厄介ごとも乗せてきてー
「喪失を描く」のはありきたりかもしれません。 でも、どうかこの小説を読んでください。 「ありきたりな喪失」なんてひとつもないのです。 ーー作家 西加奈子 意味のない人生。 思い出に生きようか。 さよならに生きようか。 ーー俳優 松山ケンイチ かつてともに暮らした猫を看病する、元恋人同士の2人。 愛猫の看取りを通し、愛の苦みと望みを描く傑作長編。 気鋭の映画脚本家による初の小説。 * 映画監督の女と、脚本家の男。 自分たちの恋愛は、映画をつくるようにはうまくいかない。 ソンは俺の知らないものを、たくさん持っている。 ソンに言葉があったら、聞きたいことが山ほどあるのだ。 一緒に暮らしていたときの、俺がいない時間の漣子を知っている。 俺と別れて一人になった漣子の隣にいたことがある。 そして宮田さんとの新しい生活を経験している。 それなのに、ソンはすべてを持ったまま、無言でどこかに行こうとしている。 そのうちのひとつでもいいから、知ることができたら。 (本文より) <著者略歴> 向井康介(むかい・こうすけ)脚本家。1977年徳島県生まれ。大阪芸術大学卒業。脚本を手掛けた作品は、「リンダリンダリンダ」「マイ・バック・ページ」「ふがいない僕は空を見た」「もらとりあむタマ子」「陽だまりの彼女」「ピース オブ ケイク」「聖の青春」など多数。本作が初の長編小説の執筆となる。
事件解決の腕にかけては江戸中で右に出る者のいない孤高の同心・望月栄次郎と、名奉行の三男で直心影流の使い手・筒井十兵衛のコンビが、庶民を震え上がらせる不可思議な事件の解決に乗り出すことに。気鋭の若手時代小説作家による新感覚時代小説!
5年目に入り中堅看護師の立場になった玲子。チーム体制が整ってきた病院に、プロ意識が高く技術もある若い女性療法士が入職し、さまざまな摩擦がおこり始めた。良いチームとは何か?悩む玲子たちは、また一歩前進する。現役医師が描くリハビリ病院ストーリー続編。
売れない小説家の私が若手作家の集まりで出会った、聡明な青年・澤田瞬。彼の伯母が、敬愛する幻想小説家・沢渡晶だと知った私は、瞬の数奇な人生と、伯母が隠遁していた古い屋敷を巡る不可思議な物語に魅了されていく。なぜ、この物語は語られるのか。謎が明かされるラスト8ページで、世界は一変する。深い感動が胸を打つ、至高の“愛”の物語。
七歳の誕生日の夜、葵は母親を目の前で惨殺された。誰が何のために母を殺したのかー。奇跡的に生き延びた葵がたどり着いたのは、超然とした佇まいの老人と犬が支配する人跡未踏の山中だった。隔絶された世界で成長した葵は、ある出来事の後、復讐の念を魂に刻んで下山する。「死ぬってどういうことだとあなたは思う?」生と死の狭間で交錯する欲望。葵が最後に見たのは、希望か絶望かー。驚愕のラストまで一気読み必至の傑作長編!!
小さな活版印刷所「三日月堂」。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉。仕事を続ける中で、弓子が見つけた「自分の想い」と、「三日月堂の夢」とはーー。感動の涙が止まらない、大人気シリーズ完結編!
ハチベエを訪ねてきた堀口という男性。彼は32年前に三人組を山賊から助けて行方不明になった大学生の兄で、再び弟を捜したいという。探索にのりだす三人組だが、そんなことをしている一方で、荒井陽子にデート情報あり。強力なライバル出現で、ハカセの恋路はどうなる?
ある食堂にもたらされた、百年目の奇跡。江の島で食堂を継ぐ女たちが懸命に生きたそれぞれの人生を描く感動作。 購入はこちら 書籍の内容 江の島に「ねこもりさん」と呼ばれる女たちがいた。それは島の猫の世話をするという、とある食堂の隠れた仕事。 1912年のすみゑ、1967年の筆、1988年の溶子、そして2017年の麻布。一家の女たちが、ねこもりとして生きたそれぞれの人生は、新しい命を結び、未来を繋いでいく。あなたの血にもきっと流れている、百年の物語。 目には見えなくても、そうとは知らなくとも、私たちの中には確実に、母から、祖母から、脈々と引き継いだものが存在するのだ。それが今の自分を作っていると思うと、なんだか自分自身が愛おしくなってくる。--大矢博子(書評家)
高校野球100回大会の節目に、直木賞候補作家が魂を込めて書ききった、最高傑作にして到達点! <内容紹介> 1945年夏、敗戦翌日。 昨日までの正義が否定され、誰もが呆然とする中、朝日新聞社に乗り込んできた男がいた。全てを失った今だからこそ、未来を担う若者の心のために、戦争で失われていた「高校野球大会」を復活させなければいけない、と言う。 ボールもない、球場もない、指導者もいない。それでも、もう一度甲子園で野球がしたい。己のために、戦争で亡くなった仲間のために、これからの日本に希望を見せるために。 「会社と自分の生き残り」という不純な動機で動いていた記者の神住は、人々の熱い想いと祈りに触れ、全国を奔走するが、そこに立ちふさがったのは、思惑を抱えた文部省の横やり、そして高校野球に理解を示さぬGHQの強固な拒絶だった……。 <プロフィール> 須賀しのぶ(すが・しのぶ) 1994年『惑星童話』でコバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞しデビュー。2013年『芙蓉千里』三部作で第12回センスオブジェンダー賞大賞受賞。16年『革命前夜』で第18回大藪春彦賞受賞、第37回吉川英治文学新人賞候補。17年『また、桜の国で』で第156回直木賞候補、第4回高校生直木賞受賞。17年『夏の祈りは』で「本の雑誌が選ぶ2017年度文庫ベストテン」1位、「2017オリジナル文庫大賞」受賞。
俺が飛び込んだのは、 わけありの死に方をした人達の部屋を片付ける会社だったーー 選考委員の満場一致で選ばれた、 第7回ポプラ社小説新人賞受賞作! 一気読みだった。上手い。 特殊清掃という業界の内幕が持つ興味深さ・面白さだけに頼ることなく、 個々のケースごとに異なるドラマを作り、 そのひとつひとつが実に読ませる。 主人公が「死とは何か」を考えるのと一緒に、 読者も自ずと死について考えるようになる。 その構成が見事。 ーー大矢博子(書評家) 気ままなフリーター生活を送る浅井航は、 ひょんなことから飲み屋で知り合った笹川啓介の会社 「デッドモーニング」で働くことになる。 そこは、孤立死や自殺など、わけありの死に方をした人たちの 部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社だった。 死の痕跡がありありと残された現場に衝撃を受け、失敗つづきの浅井だが、飄々としている笹川も何かを抱えているようでーー。 生きることの意味を真摯なまなざしで描き出す感動作!
東京の下町でひっそりと営業する「あずかりや」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて品物をあずけにくる。どんなものでも一日百円。店主の桐島はなぜこんな奇妙な 店を開いたのか? 理由は、桐島の青春時代に隠されていたーー。10万部突破のベストセラー「あずかりやさん」待望の続編。
32歳の若さで夫に先立たれてしまった麻緒(あさお)は、自らも死ぬ準備をするうち、 刺繍洋品店で小さなポスターを見つける。 ◆終末の洋裁教室◆ 講師 小針ゆふ子 毎週日曜午後一時から 春ははじまりの季節。 さあ、死に支度をはじめましょう。 あなただけの死に装束を、手づくりで。 死に装束=エンディングドレスを縫う教室。 人生最後に着る服を自分でつくるということに、興味が湧いた。 教室へ足を運んだ麻緒が出会ったのは、ミステリアスな先生と、3人の陽気なおばあさん。 聞けば、エンディングドレスを縫う前に、いくつかの課題があるという。 はたちの時にいちばん気に入っていた服 十五歳の時に憧れていた服 自分以外のだれかのための服 自己紹介代わりの一着…… 先生やおばあさんトリオの助けを借りながら、麻緒は洋服づくりに無心で取り組んでいく。 夫の弦一郎に、命にかかわる持病があることはずっと知っていた。 それでも二人は、一緒にいることを選んだ。 洋服の思い出が、忘れていた想いや出来事を次々に引き出してーー。 あつい涙があふれる! 再生のその先を描く、希望に満ちた傑作長編 * 今はもう手元にはない、昔大好きでよく着ていた服を思い出した。 その手触りや着心地は、恐がりな自分をどんなに励ましてくれただろう。 人は生まれることも死ぬことも自分では選べないけれど、 何を纏って生きるかは選択することができる。 ーー山本文緒(作家) * 連載時から、熱い感想が続々! 主人公が自殺を考えているとは思えない、 暗くないどころか、不思議な心地よさのある冒頭から一気に引き込まれた。 ーー30代女性 何度読んでも泣いてしまうシーンがあります。 悲しい涙ではなく、あまりの優しさに胸がいっぱいになって泣けてきてしまう。 ーー40代女性 おばあさんトリオや先生の過去のエピソードも印象的。 洋服をつくることや纏うことと、生きるということは似ている気がした。 ーー30代男性 * 蛭田亜紗子(ひるた・あさこ) 1979年北海道札幌市生まれ、在住。2008年第7回「女による女のためのR-18 文学賞」大賞を受賞。10年、『自縄自縛の私』を刊行しデビュー。 著書に『人肌ショコラリキュール』『愛を振り込む』『フィッターXの異常な愛情』『凛』などがある。
江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行され、テレビや新聞など様々な媒体にも紹介されて話題にもなったアンソロジー『みんなの少年探偵団』。 そして2016年に江戸川乱歩没後50年の最後の締めくくりとして刊行された、『みんなの少年探偵団』の第2弾企画がついに文庫化。 第2弾も子供時代、少年探偵団と怪人二十面相の息詰まる対決に胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結し、「少年探偵団」オマージュに挑む!
小学生の陽一は、傷ついたカラスの幼鳥を「ジョンソン」と名付け、母と暮らす団地でこっそり飼い始める。次第に元気になっていくジョンソン。だが、「飼ってはならない鳥」はやがて、人間たちの過酷な仕打ちを受けることにーー。少年の素朴な生命愛が胸を打つ現代の神話。
藤田しぐさは、突然末期ガンと告げられた父の現実に戸惑いながら、家族という形に改めて向き合う…。ガンの発覚から最期に至るまでの父と家族の姿を記録し、国内外で高く評価されたドキュメンタリー映画『エンディングノート』の監督が描く、父を見送る娘の物語。
時は元禄、道頓堀の竹本座で、近松門左衛門が営むは探偵事務所? 元・賭場の用心棒と美丈夫の剣士の凸凹コンビが繰り広げる、 痛快謎解き時代エンターテイメント! とかく人の世は面白い。 人気浄瑠璃作者・近松門左衛門に命を救われた虎彦は、 彼の裏家業「近松万始末処」に引っ張り込まれる。 近松にこき使われるまま、失せ人捜しにお犬さま騒動、井原西鶴の幽霊退治など、 さまざまな事件に奔走する虎彦だが、近松にはある思惑がーー。 正体不明の美貌の剣士に賢い忠犬、 からくり細工師見習い少女ら始末処の面々が繰り広げる、 時に爽快、時にホロリの新感覚エンタメ小説、登場!