風の果て
南房総・鋸南町を舞台に老夫婦の介護と生と死。愛と苦悩の絆の中で地域社会と深く結びついてゆく、若者の覚悟と成長の物語。祖父と孫の葛藤の先に何が!過疎化に苦しむ実際の町を舞台に、若者たちが出会い、恋し、成長していく。小説のスタイルをとりながら、実際に体験し、そこに住んでいるかのようなリアル感に迫る。
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風の果て(上)風の果て(上)
軽輩の子・桑山又左衛門は家老職につくが、栄耀とはまた孤独な泥の道にほかならなかった。ある日、かつての同門野瀬市之丞から果し状が来る。運命の非情な饗宴を描く長篇。(皆川博子) 1988/01/09 発売
風の果て(下)風の果て(下)
かつての軽輩の子は、家老職を占めるに至る。栄耀きわめたとはいえ、執政とは孤独な泥の道である。策謀と収賄。権力に近づいて腐り果てるのがおぬしののぞみか、市之丞は面罵する。又左衛門の心は溟い、執政などになるから友と斬り合わねばならぬのだ。逼迫財政打開として荒地開墾の鍬はなお北へのびている。 1988/01/09 発売
風の果て 上風の果て 上
首席家老・桑山又左衛門の許に、ある日果し状が届く。恥知る気あらば決闘に応じよ、と。かつて同じ部屋住みで、同門・片貝道場の友であり、今は厄介叔父と呼ばれる市之丞からであった。 策謀と収賄。権力に近づいて腐り果てるのがおぬしの望みかー面罵する市之丞に、又左衛門はどう応えるのか…?運命の非情な饗宴をくまなく描いた、武家小説の傑作。 新装版の文庫解説は直木賞作家・葉室麟氏。 2013/02/08 発売