信長の秘宝レッドクロス
戦国時代の常識を覆した名著『信長の軍師』の著者が放つ、織田宗家の栄枯盛衰
忽然と消え去った信長の財宝は何処に。
秀吉、家康、そしてイエズス会を巻き込む大捜索が始まった!
この十字架は決して世に出してはならぬ
天正四年(一五七六)、イエズス会の司祭オルガンティノは京の南蛮寺建立の礼として、黄金に十二個の大きな紅玉を施した十字架と地球儀を織田信長に献上した。その頃、信長は安土城築城に際し、安土山の未来永劫の鎮護を願い、伝説の巨石を発見して山の何処かに埋める。六年後、本能寺で信長は横死、遺産金は黄金七万枚しかなかった。 岐阜城から信長と斎藤道三の遺産が忽然と消えていたのだ。豊臣秀吉も徳川家康も必死に探すが見つからない。 やがて、織田宗家の命運は、織田と武田という戦国一の血統を継ぐ三法師こと織田秀信に託されることになる。そんな折、なぜか信長の財宝と紅玉の十字架の関係が秘かに噂されーー。