著者 : 高浜真奈美
知られるのが怖いーー 私の心にいるのは、今もあなただけだと。 ジェネッサの姪の洗礼式に兄の親友ブライスが出席すると聞き、 彼女の心は激しく動揺したーー私の純潔を冷たく拒絶した人! 兄はジェネッサとブライスが初めて顔を合わせると思っているが、 じつは12年前、彼女がまだ画学生だった頃に出会っていた。 若き億万長者ブライスのオーラに触発され、絵のモデルを頼むと、 それを誘惑と受け取った彼にベッドへいざなわれて……。 だが結局、彼女が初めてであることに気づいた彼に、 金目当てで世慣れたふりをして近づいてきたのかと罵られ、拒まれたのだ。 あの屈辱の夜以来の再会。ブライスの顔に、怒りと蔑みが浮かんだ。 ジェネッサの心はあれからもずっと、彼で占められているというのに。 胸に迫る心情描写と夢のようでありながらリアリティのあるロマンスで人気のS・フィールドが、HQイマージュ〜至福の名作選〜に登場! 17歳の頃に出会ったヒーローのことが忘れられず、彼以外の男性に惹かれることがずっとなかったヒロインの恋の運命は?
ショーナは念願の社長秘書の仕事を手に入れた。給料も申し分ないうえに、住居まで提供されるというが、社長のマックスは鼻持ちならない色男で、こう警告したのだ。君の前任の秘書は僕に恋して仕事を失った、と。いくら雑誌で“結婚したい男性50人”に選ばれたとしても、私はこんなうぬぼれ屋になんか興味がないわ。そう思っていたショーナの自信は、だが、すぐに打ち砕かれた。提供される住居とは、会社の最上階の豪華なペントハウス。彼女はマックスと一つ屋根の下で暮らすことになったのだ。
小さな骨董品の店を営むハリエットに、縁談が舞い込んだ。相手はなんと、ローマの億万長者マルコ・カルヴァーニ。おそろしくハンサムだが、冷酷な皮肉屋と悪名高い彼は、大企業経営者としての立場上、形だけの妻を求めているという。見返りは、経営難の彼女の店に対する金銭的援助だ。結婚に希望を抱けないハリエットにとって悪くない話だったが、マルコは、地味な彼女を一瞥して冷笑を浮かべるような男だった。ところが、周囲に勧められて化粧や服を一新すると、美しく変身したハリエットを見る彼のまなざしが変わった。冷たい態度は崩さないまま、夜のデートに彼女を誘い…。