小説むすび | 著者 : 藤倉詩音

著者 : 藤倉詩音

ギリシア富豪が愛した薔薇ギリシア富豪が愛した薔薇

いまだ私の心は彼の虜……。 もう愛はないなんて、言えない。 ヘイリーは離婚届をたずさえ、ギリシアの小島に渡った。 そこで開かれる親族の祝いに夫が出席すると聞いたのだ。 かつて一目で恋におち、誰よりも深く愛したクリストス。 だが、流産という悲劇に見舞われたとき、夫はそばにいなかった。 結婚してすぐに就いた華やかな仕事の関係で、 彼は妻帯者であることを世間に隠していたのだ。 家を飛び出したヘイリーは、2年ものあいだ心の苦しみと闘い、 今ようやく別れを決意して、クリストスの前に現れたのだった。 ところが彼は、親族の手前、復縁したふりをするよう強いてきた。 だめ、この人をまた愛してしまったら、もとの惨めな私に逆戻り……。 引く手あまたの夫の帰りを、独り待つだけだった妻ーーそんな自分を変えたくて、もがいた別居期間。新しく生まれ変わったつもりで、離婚を決意したヘイリーは、サインをもらいしだい彼のもとを去るはずが……。ギリシア富豪と悩めるシンデレラの愛の再生物語。

さよならを言わせてさよならを言わせて

もう誰も愛さないと決めたのに。 あの人は離さないーー私の瞳と、心を。 大公の婚礼を控えたヨーロッパの国へ出張に来たエイプリルは、 巨大企業のカリスマ的な経営者マーカスと対峙した。 ハンサムな億万長者である彼は大公の補佐役でもあり、 仕事で大公家の秘密に近づこうとする彼女を阻もうというのだ。 ところが、初対面の険悪な緊張感とはうらはらに、 今まで感じたことのない魅力を感じ、エイプリルの胸はときめいた。 もう誰も愛さないと決めたのに……。最愛の息子を失ったあの日に。 過去に悲劇を経験したことのある彼女は、恋愛に慎重だった。 なのに、やがてマーカスの魅力にとりこまれ、一線を越えてしまうーー めくるめく夜に紛れて我を忘れ、身ごもらぬ策もとらずに。 ハーレクイン小説の粋を集めたような本邦デビュー作『白鳥になれない妹』で話題をさらったニーナ・ミルン。ハーレクイン愛好家の母からそのDNAを受け継いだ作家が描く、過去の悲しみを乗り越えて幸せをつかむシンデレラ・ストーリーです。

シンデレラの子守歌シンデレラの子守歌

捨てられた小さな天使、そして…… 愛を知らぬ富豪とシンデレラの二都物語。 ホテルの清掃係のサニーは、とある客室で修羅場を目撃した。 新生児を乗せたベビーカーを押していきなり入りこんできた美女が、 その部屋の客、魅力的な大富豪マックス・グレイランドを相手に、 赤ん坊の父親であるマックスの老父をさんざん罵って出ていったのだーー にわかに事態をのみこめず呆然とする彼に、幼子を押しつけて。 それは、急逝したマックスの父親が女性に産ませた子だという。 彼がこちらの存在に気づかぬよう、サニーはじっと息を殺していた。 だが、マックスはすかさず彼女に目を留め、鬼気迫る声で言った。 「その掃除用具を置いて、この子を受け取ってくれ!」 サニーは退けられなかったーー彼の無茶な願いも、胸のときめきも。 サニーは早くに母を亡くし、遺された4人の弟妹を大学に行かせるため、15歳で学校をやめて働きに出た苦労人。どういうわけか、厄介事を背負いこんでしまう彼女は、今度もまた、無垢な赤ん坊とその異母兄であるハンサムな大富豪を放っておくことができず……。

伯爵が見つけた家なき娘伯爵が見つけた家なき娘

生まれてすぐに生家を追われ、 やっと迎えが来たと思ったのに……。 ローレルは英国の伯爵家の娘として生まれたものの、 身分の卑しい母親が出産時に命を落とし、スペインの修道院へ送られた。 ほどなく父が迎えた上流階級出身の後妻にうとまれたから。 大人になったローレルは修道院をあとにし、 農園主の館で住み込みの家庭教師として働き始める。 ある日、好色な農園主に襲われそうになっていたとき、 遠い親戚だと名乗るジャックがふいに現れ、館から連れ出してくれた。 ローレルの父が亡くなったことで伯爵位を継承したばかりの彼は、 彼女を故国へ連れ戻しにはるばる来たという。 但しそのためには結婚する必要があると言われ、ローレルは息をのんだ。 息もつかせぬ展開が持ち味の作家リン・ストーンのリージェンシーをお届けします。幸薄いローレルの前に突然現れた美貌の伯爵ジャック。彼がある計画を胸に秘めているとも知らずに結婚した彼女の運命やいかに? ご好評を博した『貴公子と壁の花』の関連作です。

秘密の絆秘密の絆

愛すればこそ、あきらめた愛。 けれど小さな絆がこの身に宿り……。 看護師のアビーはかつて、恋人トムを深く愛していながら別れを選んだ。 9歳のときに不慮の事故で両親を亡くした彼女は、愛すればこそ、 救急の現場で危険な任務に進んで飛びこむ彼を見ていられなかったのだ。 その後にトムの子を身ごもっていることに気づいたが、 独りで産み育てる覚悟を決め、ひっそりと遠くへ引っ越した。 ところが6年後、アビーの暮らす地に天災が起き、 救助隊として現れたトムと思いがけない再会を果たす。 ああ、あの頃と変わらない頼もしい体つき、威厳のある声……。 かつて私を不安にさせた彼に安心感を覚えるとは、なんて皮肉なの? 心乱されながらも、アビーは“秘密”を守りとおすつもりでいたがーー 幼い頃に両親を亡くしたことから心配性になってしまったアビーと、危険な職務に命をかけるトム。アビーが密かに産んだ息子が、日に日に父親に似てくるのは外見だけではなく……。命の現場を舞台に繰り広げられるロマンスで感動を呼ぶアリスン・ロバーツの秀作!

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP