著者 : 藤井光
1970年代から現代までの、パキスタンのさまざまな土地と人々を鮮やかに描き出す連作短篇集。オー・ヘンリー賞受賞の短篇を含む8篇を収録した、全米図書賞とピュリツァー賞最終候補作品。チェーホフとマンローのような優雅さ、深遠さをあわせ持つ、パキスタン系作家による心を打つデビュー作。
古代人のミイラに出会った科学者たちの悲喜劇。なぜか毎年繰り返される死者続出のピクニック。数多の美女と一人の醜男が王に仕える奇妙なハーレム。平均寿命1億分の4秒の微小生物に見る叡智ー。現代アメリカ文学の新潮流をリードする若き鬼才による、プッシュカート賞受賞作2篇を含む11篇。
この愛は、何という呪いだろうか。友人同士を、そして愛する者と愛される者を仲たがいさせるとは。医師コンスタンスへの愛と、深く帰依するグノーシス主義の掟との間で引き裂かれるセバスチャンことアッファド。彼の苦悩を軸に、死の儀式を告げる手紙、迫り来る殺人者などサスペンスの要素も加わって、物語はスリリングに展開する。
「神の肉」を食べたために、知性が高度に発達した犬へのインタビューをはじめ、「神の不在」がもたらす「ねじれ」の諸相に、斬新な語りとポップな感性で切り込む。全米で話題騒然の新人による、異色の9篇を収めた連作短篇集。“ニューヨーク公立図書館若獅子賞”受賞作品。
紛争の繰り返される土地で苦闘する若き女医のもとに、祖父が亡くなったという知らせが届く。やはり医師だった祖父は、病を隠して家を離れ、辺境の小さな町で人生を終えたのだという。祖父は何を求めて旅をしていたのか?答えを探す彼女の前に現れた二つの物語ー自分は死なないと嘯き、祖父に賭けを挑んだ“不死身の男”の話、そして爆撃された動物園から抜け出したトラと心を通わせ、“トラの嫁”と呼ばれたろうあの少女の話。事実とも幻想ともつかない二つの物語は、語られることのなかった祖父の人生を浮き彫りにしていくー。史上最年少でオレンジ賞を受賞した若きセルビア系女性作家による、驚異のデビュー長篇。全米図書賞最終候補作。