著者 : 港岳彦
笑えるほど滑稽で、笑えぬほど、悲惨。現代を映す痛烈な社会派エンターテインメント。ワクチン接種後の突然死で妻を失った介護士・浅岡信治は、遺影を掲げて病院前に立つ。その姿はSNSで拡散し、瞬く間に“悲劇のヒーロー”として祭り上げられる。だが、集まってくるのは同情だけではない。マスコミ、インフルエンサー、政治ー欲望とデマが渦巻く中で、信治の運命はあらぬ方向へ転がりだす。
寺山修司原作映画ノベライズ。感動のラスト プロボクサーを目指し共同生活を始めた、少年院帰りの不良・沢村新次(菅田将暉)と、床屋で働く引っ込み思案な二木建二(ヤン・イクチュン)。性格は対照的だが、二人はいつしか深い絆で結ばれていった。だが、見ず知らずの人を憎み、打ち負かすことへの疑問を払拭できない建二は、自分を変えるために、唯一の友人である新次を対戦相手として意識しはじめる…。心の空白を埋めようともがく二人の若者と彼らをとりまく濃密な人々。運命に翻弄されながらも必死に生きる人間たちのせつなくも苛烈な物語。寺山修司唯一の長編小説を、2021年を舞台に蘇らせた映画版を完全ノベライズ。感動のラストを迎える後篇。
寺山修司原作の青春物語。映画版ノベライズ 2021年、新宿。少年院帰りで、住む家も仕事もない沢村新次(菅田将暉)。吃音障害と赤面対人恐怖症に悩み、他者との関係を築くのが苦手な二木建二(ヤン・イクチュン)。ある日、対照的な二人の若者が、プロボクサーを目指し、さびれたジムで奇妙な共同生活を始める。やがて二人は友情を育み成長を遂げていくが、その一方で、母親との離別、父親からの暴力、仲間の裏切り…、それぞれが抱える問題に向き合うことになる。新宿という都会の荒野の真ん中で孤独と戦い、誰かと繋がりたいと渇望する人間たちを描いた、魂を揺さぶる青春物語。寺山修司唯一の長編小説を現代に甦らせた映画版を完全ノベライズ!