2011年9月発売
弦楽合奏のためのセレナード〜ヴィクター・ハーバート作品集 アイルランドのダブリンに生まれ、早くから才能を認められながらも、家庭の事情で音楽教育を受けるのは、少々遅くなってしまったハーバート。しかし、シュトゥットガルト音楽院に進学してからは、チェリストとして成長し、卒業後はウィーンでJ.シュトラウス2世の楽団員を務めます。その後1886年に富と名誉を求め妻とともにアメリカへ移住、そこで彼はメトロポリタン歌劇場の首席ソリストを皮切りに、ニューヨーク州兵22師団軍楽隊の指揮者を務め、また自ら楽団を設立し、夏の保養地で楽しい作品を演奏したりもしました。 彼のチェロ協奏曲は、あのドヴォルザークにも強い影響を与えたほどですが、こういう作品では「あまりお金にならない」ことを知ったハーバードは、もっと気軽な作品「ライト・オペラ・・・ミュージカルの前身のようなもの」に取り組むようになり、この分野で素晴らしい成功を収めました。米国作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)を設立したことでも知られています。このアルバムは、そんな彼のチェロ作品を始めとした興味深い曲を聴くことができます。(CPO) 【収録情報】 ハーバート: ・弦楽合奏のためのセレナード Op.12 ・チェロと弦楽合奏のための7つの小品 ・弦楽合奏のための3つの小品 マクシミリアン・ホルヌング(チェロ) プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団 セバスチャン・テヴィンケル(指揮) 録音時期:2008年、2009年(デジタル) Powered by HMV
レハール:『フラスキータ』(2CD) プラクスマラー&レハール管弦楽団、ノアク、シルマッヒャー 『青空をしとねに』という邦題を持つセレナード1曲のみが知られる、このレハールの喜歌劇『フラスキータ』は、1919年に書かれはじめました。この年は、他にも『青いマズルカ』と『黄色い上着(後に改作されて『微笑みの国』となる)』を並行して作曲するなど、彼の創作力が絶頂の時期でした。 1922年にアン・デア・ウィーン劇場で初演されたこの喜歌劇は曲の随所にエキゾチックなダンスやタンゴ、ハバネラが使われていて、まさにビゼーの『カルメン』のレハール版とも言えるものです。しかし彼は、フラスキータとカルメンを同一視されることは好まず、「もっと感覚的な音楽」として捉えてもらいたかったようです。レハールの作品を精力的に演奏しているプラクスマラーの親愛溢れる指揮で、このちょっぴりセンチメンタルな音楽をどうぞ。(CPO) 【収録情報】 ・レハール:3幕の喜歌劇『フラスキータ』全曲(A.M.ヴィルナー&H.ライヒェルト台本) ロマーナ・ノアク(ソプラノ) ヴィンセント・シルマッヒャー(テノール) ルペルト・ベルクマン(バス・バリトン) ローラ・シェルヴィツル(ソプラノ) ローベルト・マズル(テノール) トーマス・ツィステラー(バリトン) レハール祝祭合唱団 フランツ・レハール管弦楽団 ヴィンツェンツ・プラクスマラー(指揮) 録音時期:2010年(デジタル) Powered by HMV