2010年10月発売
SMALL CRAFT ON A MILSMALL CRAFT ON A MIL
アンビエント・テクノの牙城WARPへと移籍してのアルバムは、当然のように全曲インスト。彼自身が言わば“元祖”であるアンビエント系から、アグレッシヴなギターが鳴りわたるロック的な演奏まで、“イーノらしさ”の引き出しを全面公開したかのよう。本人いわく、“音のみの映画”だそうだ。
グレグレ・デュオ・ワングレグレ・デュオ・ワン
同デュオのデビュー作。「夕暮れの樹」「日イズル処」「Ladybug」が黒石、他が長月作。ジャズ的表現はあまり聴かれず、主題/旋律の奥深い表現に、より重きを置いている。心の乾きを癒す牧歌的な「幸草の系譜」や舞い散る桜のような「雪の舞」……日差しや雨、風など、自然の営みを置き換えるように。ホール録音が楽器の生の脈動を増幅。優雅。
ブルー・イン・グリーンブルー・イン・グリーン
日本制作のアルバムとあって、日本人好みのピアニストによるオリジナルが9曲と自作の2曲で構成されたデビュー作。バワーズはジュリアード音楽院のジャズ科に在籍中で、このアルバムは2年前の2年生のときの録音。すでに完成されたタッチが眩しい。
I GET REQUESTS〜SION with Bun Matsuda〜I GET REQUESTS〜SION with Bun Matsuda〜
ファンからのリクエスト上位10曲を再録音した企画アルバム。基本的に生ギターのバッキングのみによる録音なので単調な印象は否めないが、そこはさすがにベスト10。曲の良さでカヴァーできている。リクエストした全投票者の名前が掲載されているブックレットにも圧倒される。
エンド・オヴ・エデン〜創世の終末エンド・オヴ・エデン〜創世の終末
女性ソプラノ・シンガーを擁するフィンランドのアンベリアン・ドーンの3作目。讃美歌のようなハーモニーで幕を開け、様式美に通じるクラシカルで壮大な曲が次々に展開。ソプラノ・ヴォーカルは、音の力強さをすべて柔らかく包み込む。また全曲の印象を同一にしてしまうところも。