2008年11月発売
ヨーヨー・マ2度目の「ドヴォ・コン」(前作はマゼール指揮ベルリン・フィルとの1986年録音)で、マズア率いるニューヨーク・フィルとの95年録音盤です。1995年はちょうど、ロンドンでこの曲が初演されてからちょうど100年目にあたる年で、そういう意味でも記念碑的なアルバムとなりました。マゼール盤での若々しいチェロも捨てがたいですが、やはりここでの成熟したソロの輝かしい音色には思わず聞き惚れてしまうことでしょう。カップリングには、1993年12月16日プラハで行われたドヴォルザークの「新世界交響曲」初演100周年記念公演をライヴ録音したアルバムからです。小澤征爾指揮ボストン交響楽団、パールマンとの共演という豪華な組み合わせです。そして最後は81年に録音した小品集から、クライスラー編曲の「わが母の教え給いし歌」。ドヴォルザークの哀感あふれる旋律美が味わえます。
チェリストにとって最大の難曲といわれるハンガリーが生んだ偉大なる作曲家コダーイの無伴奏をヨーヨー・マが初めて録音し話題となった99年作品です。コダーイのこの曲を演奏することはヨーヨー・マにとって30年あまりの夢だったといいます。満を持してたっぷりと奏でるコダーイ、そして深い悲しみをたたえた旋律が忘れられないワイルドの作品はコンサートで披露され録音の要望が高かったもの。いずれも20世紀に書かれ、後の世にチェロの重要なレパートリーとして弾き継がれていくであろう作品を収録しています。
カナダが生んだ天才ピアニスト、グレン・グールドの2枚組ベスト・アルバムです。DISC1はグールド出世作でもあるゴールドベルク変奏曲や平均律蔵ヴィーア曲集をはじめとするバッハ作品集、DISC2はモーツァルトやベートーヴェン、ブラームスといったバッハ以外の作品によるオムニバスでグールドの音楽的世界の多様性と素晴らしさを実感させる選曲となっています。グールドの生きた空間、心象風景を映し出した貴重な写真集(未公開写真多数、全36ページ)付の全てのグールド・ファン必携のアルバムです。
1956年に発売されたグールドによる「ゴールドベルク変奏曲」のレコードは、世界中にセンセーションを巻き起こしました。以後も孤高の天才グールドは、数多くのバッハ作品を録音し、現代人の共感を呼び起こすバッハ演奏で一時代を築き上げました。このアルバムは、彼が愛奏したバッハの作品から、やさしく親しみやすい作品をグールド自身が選んで編んだもので、グールドのバッハ宇宙をはじめて体験する人にとってもかっこうの1枚となっています。
その後数々の伝説をつくりあげることになるピアニスト、グレン・グールドの記念すべきデビュー・アルバムは、モノラル録音によるバッハの「ゴールドベルク」です。このアルバムにおける演奏は、当時の、そしてもちろん現代の聴き手の心を確実に捉えて離さないものです。グールドといえば「バッハ」であり、そして「ゴールドベルク」ですが、彼のすべての表現の第一歩となったこの録音を聴かずしてグールドは語れません。「ゴールドベルク」に始まり、「ゴールドベルク」に終わった彼のディスコグラフィのなかでも、もっとも重要な1枚です。
1955年にこの作品のセンセーショナルなパフォーマンスを収めたアルバムでデビューを飾ったグレン・グールドは、26年ぶりに斬新で魅惑的なこのデジタルによるステレオ・スタジオ再録音を残し、唐突に世を去りました。まさに鬼才・グールドの墓碑銘といえる永遠の名盤です。
わずか50年の人生を疾走した孤高の天才グレン・グールドの芸術の精華は、生涯にわたって演奏し続けた大バッハの音楽とされています。このアルバムでグールドは、教育用音楽と考えられていた「インヴェンションとシンフォニア」に新たな生命を与えたといえるでしょう。録音に使用したピアノは第二次世界大戦以前のスタインウェイCD318で、グールドがバッハの演奏に不可欠と考えていたノンレガートの特性が見事に生かされた名演奏となりました。カップリングのイギリス組曲はバッハの生きる喜び、音楽の喜びが溢れている軽やかな舞曲集で、グールドはここでは愉悦に満ちた生き生きとした演奏を聴かせます。
1955年にJ.S.バッハの「ゴールドベルク変奏曲」でセンセーショナルな録音デビューを飾ったグレン・グールド。彼は以後バッハ作品を次々に録音していきましたが、ピアノ音楽の「旧約聖書」であると言われている「平均律クラヴィーア曲集」を1962年から約10年を費やして完成させました。本作はその全集からの抜粋版です。研ぎ澄まされた感性が美しく描き出すバッハの小宇宙は、聴く者に新たな発見を促すに違いありません。
このアルバムは、バッハの作品の中でも、しばしばピアノ学習の教材として使われることが多い曲ばかりを収録しています。ゴールドベルク変奏曲や数々の組曲に比べると鑑賞用としては軽視される傾向にありますが、しかしグールドの手にかかれば、素晴らしい魔法のような輝きをもって響き始めます。晩年のグールドが到達した境地が、小品にもしっかり刻印されています。ボーナストラックとしてアルビノーニの主題によるフーガ、半音階的幻想曲、幻想曲なども収録しています。
グールドが珍しくオルガンを演奏した「フーガの技法」では、彼がこよなく愛したフーガを演奏するときの愉悦にあふれた素顔を垣間見せてくれます。さらには、1981年春収録の映像作品「バッハ・シリーズ」において、ピアノで演奏したフーガの技法(第1・2・4・14番)、またマルチェルロの主題による協奏曲、イタリア風アリアと変奏 といった珍しい貴重な録音もボーナストラックとして収録しました。
芸術家人生の大半を、ひとりスタジオで生きたグールドが遺した膨大な量の録音は、時間の経過とまったく無縁のように、常に新鮮な感動を聴くものに与えてくれます。グールドというとバッハが有名ですが、1960年に録音したブラームス晩年の作品から間奏曲ばかりを集めたグールドの隠れた名盤です。郷愁と渋いロマンに満ちたブラームス晩年の枯淡の境地をグールドが慈しむように演奏しています。カップリングには、グールド最後の録音となったの82年録音のブラームス「バラード集」と「2つのラプソディ」から抜粋、瑞々しい詩情に満ちあふれた佳作です。
大バッハと同年に生まれたイタリアの作曲家ドメニコ・スカルラッティは、555曲のチェンバロ・ソナタによって、その名を不滅のものとしました。ホロヴィッツは、自分のコンサートに必ずスカルラッティのソナタをとり上げていました。このアルバムは、巨匠が愛したスカルラッティのソナタの決定的名盤なのです。
20世紀最大のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ホロヴィッツがもっとも脂の乗り切った60年代に行った録音によるシューマン名曲集です。このアルバムの中心をなす「子供の情景」と「クライスレリアーナ」は、ともにシューマンが恋人クララとの結婚を成就する2年前、もっとも創造意欲に満ちていた時期の密度の濃い作品です。ホロヴィッツの稀有な才能が、シューマンの音楽と見事に融合した不滅の1枚といえましょう。
20世紀最大のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ホロヴィッツがもっとも脂の乗り切った60年代に行った録音によるシューマン名曲集です。このアルバムの中心をなす「子供の情景」と「クライスレリアーナ」は、ともにシューマンが恋人クララとの結婚を成就する2年前、もっとも創造意欲に満ちていた時期の密度の濃い作品です。ホロヴィッツの稀有な才能が、シューマンの音楽と見事に融合した不滅の1枚といえましょう。
特にモーツァルトの演奏に定評がある天性のリリシスト、マレイ・ペライアとルーマニア出身の名ピアニスト、ラドゥ・ルプーによるモーツァルト、シューベルトの2台のためのピアノ作品集です。1993年にイギリスの一流医学雑誌"Nature"に、モーツァルトの2台のピアノのためのソナタを10分間学生に聴かせる実験を行ったところ、知能指数(IQ)が上昇したという論文が掲載されました。この発見が、モーツァルトのブームを巻き起こしました。このアルバムには、まさしくその実験に使用されたペライアとルプーによる演奏を収録しています。近年ではマンガやTVドラマでも使用され再び人気曲となっています。
かつて神童と騒がれた天才ピアニストも30歳を超え、ピアニストとしてさらなる成長を遂げ、芸術的な深みも格段に増してきました。そのキーシンが1997年にレヴァイン指揮するフィルハーモニア管弦楽団とともに満を持してベートーヴェンの「皇帝」協奏曲をレコーディング、世界中の注目を集めました。カップリングには若き日のキーシンが巨匠ジュリーニ指揮するウィーン・フィルというこの上ない組み合わせをバックに創り上げたシューマンのピアノ協奏曲。1992年5月に行なわれたウィーン・フィル定期演奏会でのライヴ録音。まさに卓越した音楽家同士の演奏がお互いを高め合う、至福の一時ともいえる白熱した演奏会になりました。フィルアップにはシューベルトの歌曲をリストが編曲した2曲の小品を収録しています。
堂々たる音色と多彩なテクニックを持つアルカディ・ヴォロドスが、ピアニストのレパートリーの中でもっともよく知られた名作のひとつ、チャイコフスキーとラフマニノフの協奏曲に挑戦しました。どちらも世界の小澤征爾、ジェイムズ・レヴァイン指揮、そしてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団という世界最高の組み合わせによる共演です。最高の演奏家たちによる至上の調べをご堪能ください。
日本を代表するピアニスト=小山実稚恵の魅力を堪能することができるベスト・アルバムです。映画「戦場のピアニスト」で話題となったショパンの有名な「夜想曲第20番」や、リストの「ラ・カンパネッラ」他、バッハからラフマニノフまで人気曲満載した1枚。