音楽むすび | 2005年11月発売

世界各国の民族音楽を集めたアーシーな企画盤“世界音楽紀行”の南アジア編。インドやパキスタンなど歴史の古い優れた文化圏だけに、興味が尽きない魅惑の音源ばかりだ。

またしても鈴木&バッハ・コレギウムの快挙だろう。世界に誇れる『メサイア』の誕生と言いたい。音楽への熱気がひしひしと伝わり、天才と呼ばれる米良美一らの天に上るような響きとその熱との相乗効果か、一気に聴かせる。が、身近にも感じさせ、そこが凄い。

きっと出ると思ってました、クリスマス・アルバム。スタンダード・ナンバーに加えてオリジナル曲も2曲入って米良ファンにはたまらないプレゼントでしょう。英語の歌もちゃんと英語に聴こえるし。米良クン絶好調! 天使のコスプレもコワイもんなしだ!!

没後250年を前にリリースが待たれていた鈴木雅明&BCJの「マタイ」。感動的でない「マタイ」などあり得ないが、練りに練られ緻密に構築された音楽は、作品(そしてバッハ)に対するどこまでも真摯な姿勢を伝える。心に大きな楔を打ち込まれる思い。★

いまや、世界的なバロック・オーケストラと合唱団に成長した、バッハ・コレギウム・ジャパンの記念すべきCDデビュー盤。発売当時、これまでにない水準の演奏と解釈で大きな話題となった。

偶像礼拝を禁止しているプロテスタントには薦められないが、それ以外の人にとっては気持ちよく聴けるでしょう。ルネサンスからロマン派の作曲家までの、さまざまなアヴェ・マリア像が拝める。演奏形態も様々で、都会の生活に疲れたアナタに必要な1枚かも。

安っぽい勝ち組気取りには、日常の悲喜こもごもをラフに三人で綴った、取り留めのないロックンロール作に思えるかもしれない。だが、何があっても人生は続いていくといったことをあらためて気づかせてくれるのが、Theピーズ。そして、最後にはちょっとした勇気も。