1997年8月発売
「シーヴス・イン・ザ・テンプル」と「ニュー・パワー・ジェネレーション」のリミックス・ヴァージョンで構成した日本のみ発売のサービス企画。ダブ・ミックスなど、それなりに楽しめるが、プリンスのネットリ声の魅力の大きさに逆に気づかせられる。
「もうアカンのとちゃうか?」とか「フツーになった」とか、あれこれ言われてるプリンス様のリミックスもの。お題は「ゲット・オフ」と「クリーム」。いやぁ、それでも凡百のダンスものと比べて、つまっているモノの量が違う。ジングル風の(8)と(11)がかわいい。
「ラヴ・シンボル」の1曲目に収録されていた“俺はプリンス。俺はファンキー”って曲のリミックス集。珍しく声を枯らして叫ぶ、熱いプリンスの4連発だ。「SEXY MF」の方は、(7)のクリーン・ヴァージョンのたあいなさが笑える。未発表曲の(8)はメガ・ミックスみたい。
この作曲家は1909年に生まれ、79年に亡くなったフィンランド人。と、ライナーに書いてある。知ってました? 私は全然知りませんでした。恐らくこんな事を知っているのは、日本では片山センセだけと見た。まあ強烈に時代錯誤の人懐っこい曲だこと。
一つ一つの音をどのように切り、どのようにつないでいくか。アーティキュレーションの解析がアーノンクールの基本。そこから生まれる新鮮なリズムと響き。そして、何より求心的で推進力ある音楽。誇大な表現を剥ぎ取ったメサイアのエッセンスが聴ける。
古楽器に完璧にハマっていた時代のアーノンクールによるゼレンカの好演盤。77年ウィーンでの録音。この時点での最先端の古楽器演奏が記録されている。レコードでは盤質の良くなかったこともあり、貧弱に聴こえていた演奏が立派に蘇りそれだけでも喜び。
ワーナーから全5タイトルでリリースされている『圓生落語』の、「牡丹燈篭」と栗橋宿と関口屋ゆすりの一席。コワイ話というよりシブイ話だ。基本はそこはかとないお笑い感覚だ。でもダラダラとせずにキリッと聴かせる。そこがいい。78年発表のLPの復刻。
またの題名を『磯の白浪』『朧の梅若』という長編人情噺。78年11月の録音で、同年12月発売のLPの復刻。部分を取り出すことのできないガッチリとした展開の長編ゆえにもはや生で聴くこともままならぬ。圓生師のテンションの保ち方はまさに至芸。