1997年8月発売
黒人女性ヴォーカルをフィーチャーしたトリップホップ・ユニット、モーチーバのデビュー作。……とくれば当然ポーティスヘッドあたりと比較してしまうところだが、よりジャズっぽい耳触り(あくまでサウンドの質感のみですが)がモーチーバ流か。まさに97年型です。
映画『カンザス・シティ』にも出演、いまや黒人の男性ヴォーカリストとしては最も注目すべき存在となったケヴィンの大手移籍第2弾は、いま一番脂が乗っている若手を迎えて、充実した好内容に仕上がった。カントリー歌手とのデュエット(5)も聴きもの。
60年代半ばに、カリフォルニアで活躍したグループの代表作で、緻密なサウンド、美しいコーラスは絶品だ。プロデューサーとして活躍中のテッド・テンプルマンはメンバーだったし、ヴァン・ダイク・パークスなどが、このグループの周辺から育っていった。
雑誌の名前をバンド名にした60年代の人気グループ。「フィーリン・グルーヴィー」というヒットを放っているがそれは別のCDで再発されており、お薦めはそちらの方。コーラス・ハーモニーをじょうずに使ったいかにもアメリカ的な美しい曲は印象に残る。
68年発表の3作目。映画『虹を掴む男』をモチーフにしたコンセプト・アルバム。抜群の選曲、絶妙の編曲、魔術的なサウンド・コラージュを駆使して、論理と時空を超えた“夢の映画”を見せてくれる。黄金時代のバーバンク・サウンドを代表する華麗なる傑作。
69年発表の4作目。ドリーミーなコーラスの魅力はそのままだけど、サウンド面では凝りに凝った前作と比べ、あっさりとした仕上がり。4分割されたジャケットに象徴されるように(2)(4)などR&Bを取り上げるなど、メンバー各自の指向が感じられる。
1975年の発売当初、ザ・バンドのロビー・ロバートソンがプロデュースをしているということもあって、マニアの間では話題になったレコードで、結局輸入盤でしか日本では市場にでなかった。独特なしゃがれ声、多様な音楽性、優れた詩。印象深い1枚。