1993年9月発売
武道館武道館
78年、ディランが初めて来日した時の、武道館でのコンサートを収録・構成したライヴ盤。この時の日本公演は、'66年のあのオートバイ事故以来の、12年ぶりのワールド・ツアーに先立つものでもあり、その意味でもこのアルバムは貴重な記録だと言える。8人編成のバンドと3人の女性コーラスを従えて、過去16年間の代表曲を大胆なアレンジでプレイするディランはとても力強い。このライヴ盤を聴いて、「京都の龍安寺の石庭で今もなお鳴り続けている」というディランの「心臓の鼓動」を聴きとれる人は少ないだろうが、このライヴ盤を楽しむことは誰にでも出来る。ディランの他のアルバムと同じように、さまざまなやり方で、自由にーー。
現代チェロ作品集/無伴奏チェロ・ソナタ現代チェロ作品集/無伴奏チェロ・ソナタ
まずは第一人者といわれるだけの演奏を聴かせる。中でもまだ才能が豊かだった頃の黛の曲が良い。コダーイは抒情性の勝った演奏で、これはロマン的。石井の彼らしい劇的で緊張感溢れた音楽、武満のいかにも手なれた曲とバラエティに富んでいる。
ドビュッシー:前奏曲集第2巻・版画・子供の領分ドビュッシー:前奏曲集第2巻・版画・子供の領分
ロンドン・シンフォニエッタの音楽監督、クロスリーが、新たなドビュッシー像を把えようと試みる。リズムやアクセントの僅かな力点の違いが音楽の多層的な広がりを誘発するなどの新鮮味はあるが、意外とコンサバ。新しさを期待しないないなら、優秀な出来。