発売元 : EXTON
無伴奏混声合唱によるシューベルトの名歌曲「冬の旅」。動物の鳴き声などの擬音的な表現が特徴で、編曲は合唱界で人気の高い千原英喜、演奏は大阪を拠点に活躍するザ・タロー・シンガーズ。世界初録音となった注目の一枚。
コバケンが齢70にして、やっとベートーヴェンの交響曲全集を作る気になった。これはその第1弾。待ってた甲斐があった出来で、今後が非常に楽しみだ。テンポは抑え気味で、緩急の設定、間の取り方、緊張感の持続など、細部にまで目の行き届いた見事な造形でドラマティックだ。音もまた良い。★
マーラーが楽譜に書き込んだ響きの鮮明さを申し分なく再現した第5である。沈痛な表現は幾分影をひそめ、鬱屈した感情はアシュケナージによって解放され、妙なるカタルシスがもたらされる。終楽章のクライマックスも凄まじく、包まれる感動はきわめて深い。
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EXTON“幻の作品”と言われてきた「寒帯林」の日本初演のライヴ盤。特に第3楽章は伊福部らしい民族主義的なダイナミズムに貫かれ、かの「ゴジラ」のテーマも登場! 「平和への祈り」は戦争に対する憤りや平和への願いを込めた深井史郎の畢生の大作で、中でも第5部終盤の2重フーガは圧巻だ。両曲とも初CD化。★
シドニー響のクリアな響きが印象的な、晴れやかな「巨人」である。強烈な自意識丸出しのドロドロとしたアプローチとは正反対で、調和を重んじるアシュケナージらしい美意識に貫かれている。しなやかなアイケの歌唱とも相性は良好だ。デリケートな抒情性に満ちた「花の章」も美しい。
長い間にわたって愛唱されている合唱曲をオーケストラと共演した(武満作品を除く)2010年3月のライヴ録音。やや小振りの合唱とオーケストラの音楽的相性はいま一歩で、両者の付き合いの浅さを感じさせるが、聴き手の心を踊らせる演目を堂々とこなす横綱相撲の貫祿は両者ともさすが。再勝負への期待がふくらむ。
1887年の第1稿ノヴァーク版を使用した演奏。インバルはこの版にこだわり続けるが、録音をいち早く行なったことでも知られる。近年の異常なほどのわが国の“ブルックナー・ブーム”の中にあって巨匠的な風格を示せるのはインバルが筆頭。都響の豊麗さ重厚さ、解釈の充実度は至高。★
あのベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」のクロイツェルである。ヴァイオリン学習者にはお馴染みの42の教則本を書いた人である。日フィルのコンマス、木野の模範演奏なので学習者には最良のCDとなるだろう。第32番以降の重音奏法など、練習曲を忘れさせるほどの聴きごたえがある。