制作・出演 : ヴラディーミル・アシュケナージ
アシュケナージ2度目のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。ともかくアシュケナージの素晴らしい音色の美しさに舌を巻く。メータも自然な構成でスタンダードな決定盤全集といえよう。
2,900円で交響曲全3曲が聴ける便利なCD。アシュケナージが本格的に指揮活動を始めた時期で、この名門オケを完全にドライヴできていないが、ピアニストとしてこの作曲家を自家薬篭中としているだけあり、旋律の扱いがユニークで響きの仕上げも美しい。
柔らかくて暖かくて、聴きてを柔らかく包み込んでしまうようなショパンだ。淡い色彩感覚も実に見事だし、決め所では非常に雄弁な表現で惹きつけてしまう。1セット持っていたい時には、このアシュケナージ盤が当分の間おすすめ盤。
遺作も含めて全16曲が収められているという、貴重なポロネーズ集である。「ショパン/ピアノ作品全集」からの分売であるため、録音年にはバラつきがあるが、1曲1曲に対する心のこもった細やかな配慮には変わりがない。その一方、力強い(5)なども印象的。
アシュケナージにとって同曲の最初の全集盤であったもの。彼は、持ち前の安定したテクニックで各曲を鮮かに仕上げており、特に第3番は忘れ難い名演。但し、ロシア的情緒の表出よりも透明で美しい味わいが印象的。指揮のプレヴィンの巧さにも注目。
アシュケナージのスクリャービンに対する10年来のこだわりが、遂に全集という形で結実した。ショパンの影響下から出発して、特異な秘教的世界に至るこの作曲家の変遷過程を弾き分けて見事である。特に6番以降が音楽の独自性と相俟ってすばらしい。
アシュケナージ2度目の全集からの分売。ソロは極めて自由闊達だが、非常に繊細で詩的な美しさは初めて体験できるものだ。ハイティンクの大きく、柔らかく包み込むような伴奏も見事の一言に尽きる。決定盤という宣伝文句も大袈裟とは言えない。
お馴染みの名曲をお馴染みの演奏家で、というタイプのアルバム。バランス感覚のすぐれたアシュケナージだけに、確かにどの曲をとってもお見事。しかし聴き手を引きずり込むような魅力が出ているかどうかは疑問。(15)だけは文句なくすばらしい。