制作・出演 : ブラームス
最高の音で楽しむために!
悠揚迫らぬその音楽は、緊張感というよりも深々とした大河のよう。その巨大さに応える都響の能力の高さは、さらなる化学反応を生み、楽器間のバランスに一層の深みと立体感を生んでいる。細部の魅力もさることながら、まず語られるべきは全体のスケールの大きさである。★
90年代はブラームスの室内楽に意欲的に取り組んでいたヨーヨー・マとアックスでしたが、その成果を踏まえて6年ぶりにチェロ・ソナタの再録音を行ないました。持ち前の勢いと流れの良さ、旋律の表情の豊かさに加え、確信に満ちた弱音の雄弁さが光ります。ヴァイオリン・ソナタ第3番は1オクターヴ下げての演奏で、晩年のブラームスの穏やかな心境が、「人間の声に最も近い」チェロの音に絶妙に映えます。より深く、より大きく。満を持して取り組んだ待望の再録音です。
芸術家人生の大半を、ひとりスタジオで生きたグールドが遺した膨大な量の録音は、時間の経過とまったく無縁のように、常に新鮮な感動を聴くものに与えてくれます。グールドというとバッハが有名ですが、1960年に録音したブラームス晩年の作品から間奏曲ばかりを集めたグールドの隠れた名盤です。郷愁と渋いロマンに満ちたブラームス晩年の枯淡の境地をグールドが慈しむように演奏しています。カップリングには、グールド最後の録音となったの82年録音のブラームス「バラード集」と「2つのラプソディ」から抜粋、瑞々しい詩情に満ちあふれた佳作です。
2000年のベルリン・フィル来日公演にソリストとして初来日し、アバドとヤンソンスの指揮でベートーヴェンとショスタコーヴィチの協奏曲を弾き分けるという、これ以上ない華々しい日本デビューを飾ったヒラリー・ハーンのブラームスとストラヴィンスキーです。現代最高のテクニックを余すところなく披露しながら、音楽に対する深い洞察力をも同時に感じさせるというヒラリーならではの表現が、類い希なる名盤として、この世に誕生しました。
ワルターが残したブラームスはいずれも絶品です。同曲の永遠のスタンダードとしての位置は今後もゆるがないでしょう。ブラームスが作曲に長い時間をかけたこの第1交響曲でも、ワルターの確かな構成力と、慈愛に満ちた表現が聴けます。カップリングの2曲の序曲もこれらの曲の代表的名演として後世に聴き継がれる名演奏です。
ワルター/コロンビア交響楽団によるブラームスの交響曲全集のなかでも、この第4交響曲における枯淡の境地、寂寥感あふれる表現は誰にもまねできないものでしょう。巨匠の到達した深遠な世界を、聴き手はこのCDから垣間見ることができるかもしれません。カップリングの「ハイドン変奏曲」も、老巨匠の巧みなスコアリーディングによる各変奏の性格描写が素晴らしいものとなっています。
ブダペストSQの代表的録音のひとつであると同時に、いまだにブラームスの室内楽作品の代表的録音としても評価されている一枚。特にオッペンハイム、トランプラー、ゼルキンらと共演した五重奏曲は絶品だ。
ワッツが最も輝いていた20代のころの録音。大曲3曲を前に、溌剌(はつらつ)として躍動感あふれる会心の演奏が繰り広げられている。バーンスタイン、小澤征爾の好サポートも見逃せない。
心地よい眠りを誘うための音楽とも言える、子守歌を集めたアルバム。18世紀から20世紀初頭まで、数多くの大作曲家たちが書き残した子守唄の数々が味わえる、贅沢な一枚だ。
制作・出演
アンナ・トモワ=シントウ / ウィーン楽友協会合唱団 / ブラームス / ヘルベルト・フォン・カラヤン / ヘルムート・フロシャウアー / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / ヨセ・ファン・ダム制作・出演
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / オルフェウス室内管弦楽団 / ギドン・クレーメル / ジュゼッペ・シノーポリ / フィルハーモニア管弦楽団 / ブラームス / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / ミッシャ・マイスキー / レナード・バーンスタイン未発表音源を含んだ2枚組のベスト・アルバム。バッハから近代まで、協奏曲と小品集からなる構成で、小品にいっそう“歌うチェロ”との異名をとるマイスキーの本領が発揮されている。
ブラームスは重々しい音楽でも、分厚い響きでもない。小編成だからこそ可能となる、歯切れの良さと推進力を生み出す速度感を最大限に活かした新しいブラームス像を提案しようとしている。それが金聖響&OEKの意図だろう。録音にはもう少し冴えが欲しい。