制作・出演 : チャイコフスキー
チャイコフスキーの協奏曲は、ヴォロドスがベルリン・フィルの定期演奏会に登場した時のライヴ。彼の実力をまざまざと見せつけ、絶賛された演奏だ。小澤征爾の指揮も完全燃焼している。
アバド&ベルリン・フィルというこの上もないバックを得て、極上のチャイコフスキーを奏でた、五嶋みどりの代表作のひとつ。ショスタコーヴィチの協奏曲ともども、記憶にとどまる名盤。
チャイコフスキーは旧録音にもまして濃厚、思い入れたっぷりの演奏。妖艶さ、官能美もたっぷりで、病的の一歩手前といった感じである。きっと、ついていけない人もいるだろう。コルンゴルトはもっと突き抜けた雰囲気。夫君の伴奏も過不足なく、万全。
ラジオ・フランスの音源で、ムーティ3度目の「悲愴」録音。豊かなカンタービレとゴージャスな響きにあふれ、作品のもつ悲劇性を凌駕するような、エネルギーがほとばしる力演。
話題のイタリア人指揮者、ガッティのハルモニア・ムンディ・デビュー作はチャイコフスキー。個性的歌わせ方がいつも新鮮だが、ここでも一味も二味も違った演奏を聴かせる。
ロンドン響のテューバ奏者にして、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのメンバー、ジョン・フレッチャーのソロ・アルバム。テューバとは思えない、軽やかで多彩な表現に驚嘆。
オランダ出身の美貌のヴァイオリニスト、ジャニーヌ・ヤンセン(1978年生まれ)のデッカ・デビュー盤。強烈な音楽的個性の持ち主というわけではないが、優れたテクニックで、若々しくスタイリッシュな演奏を繰り広げている。バラエティに富んだ選曲。
オグドンの質朴な味わい、そしてオーケストラの気品と凛々しさと情熱にあふれた響きが素晴らしい。それに、1963年にこれほど透明でバランスが良く、瑞々しい音質で収録されているのは驚異、奇蹟としか言いようがない。キング盤よりも音質はさらに向上した。★