1996年2月発売
宇宙に浮かぶ、青い、水の星。海の中に浮かぶ、五つの大陸と島々。そこには、この星を守ろうとする人々と、青い星を壊そうとする人々がいる。本書は、青い星と平和を守ろうとする人々の、怒りと涙に満ちたすべての存在の、抗議の寓話集である。
大阪・天満橋から三十石船に乗り込んだ夢野幻十郎。彼は舳先に座っている二人連れの女に近づいた。17、8の娘と30前後の年増である。千人供養の第一番はこのどちらかに決めた…。色公卿・高倉色道軒の千人供養満願成就にケチをつけたのがキッカケで、自らも3年以内に千人の女と媾合う願をかけるハメになった幻十郎の色ごよみ。
重巡・鳥海を旗艦とした第8艦隊は、駆遂艦14隻を駆使して、ガダルカナル島の日本軍撤収に向け、ソロモン海を進んでいた。この作戦遂行のため、山本五十六は自から戦艦武蔵に乗り込み、さらに小沢中将率いる空母・瑞鶴、隼鷹を中心とした第3艦隊まで増援させ、米艦隊牽制のため出撃する。一方、米機能部隊のスプールアンスも同海域からの日本軍一掃を策していた。緊張高まるソロモン海を舞台に、座礁した米軍の駆遂艦を修理してラバウルに帰投を計る兵士達の死闘。
徳川家康が七十五年の生涯を閉じ、その遺骸は駿府の久能山の仮殿に安置された。翌年、伊賀の忍び滝野右近が遺品を盗みに仮殿に侵入し、家康の遺体を見て驚愕した。“首がない。”仮殿を逃げ出した右近に襲いかかる幕府の伊賀服部軍団。彼らを操るのは影の将軍、怪僧天海。徳川将軍家康安泰と己れの権力への野望をみたすべく家康の首が密教呪法の外法にかけられた。
本書は「現代の『紅楼夢』」「記念碑」「奇書」「後世に伝わる書」と賛美の反面、「モラル不在の作品」「反共」「猥本」「作者を法により罰せよ」と罵詈雑言を浴びた。そこに描かれているのは二十世紀末の中国の現実であり、中国人の生存情況や精神位相、および生命意識などである。
江戸期には珍しい女性エッセイスト、只野真葛を描いた『葛の葉抄』、『炎環』以来ひさびさの連作小説『うたかたの』を収録。年譜付。古代から江戸まど、小説で辿る歴史の旅。
弁護士から浮気調査を請け負って日銭を稼いでいるジャック・フリッポは、かつてはやり手の検事補として誰からも一目置かれる存在だった。ところが、女との火遊びがもとで検事局を馘になってからというもの、彼の人生は転落の一途。妻には逃げられ、家も財産も失い、いまは安アパートでわびしい独り暮らし。そんな彼のもとに、経営コンサルタント会社社長のバディ・ジョージの妻から、夫の不貞の動かぬ証拠をつかんでほしいという依頼が舞い込んだ。なんなく情事の模様を盗聴したまではよかったが、敵も録音テープを取り戻そうと必死の様子。おまけに依頼人の女がとんだ食わせ者だった。バディの妻というのは真っ赤な嘘で、どうやら彼から大金を巻き上げようという魂胆らしいのだが…。虚飾の街ダラスを舞台に、大金をめぐって繰り広げられる丁々発止の騙し合い。英国推理作家協会賞の最優秀処女長篇賞に輝いた注目のクライム・ノヴェル。