ジャンル : ミステリー・サスペンス
色覚障害者のサイト〈ランボー・クラブ〉。仲間を探す中学生の菊巳が偶然見つけたそのサイトに掲げられた、ランボーの詩。なぜか解読できた原語の詩を読んだ時、彼にあるはずのない、鮮やかな血の色を見た記憶が蘇った。 そして後日、何者かによってその詩が書き換えられ、詩になぞらえた死体が発見された! 色覚障害の少年をめぐる事件の驚くべき真相とは? 鮎川哲也賞受賞作家が贈る、傑作本格ミステリ! 解説=大矢博子 (単行本版タイトル『ランボー・クラブ』改題・文庫化)
坂崎莉実は、父親と二人暮らしの17歳。5月のある朝、父親は「彼女を莉実の名前で病院へ入院させてほしい」という書き置きと見知らぬ少女を残し、姿を消してしまったー。やむなくリミットと呼ぶことになった少女は、莉実が遭遇する奇妙な出来事の謎を、話を聞くだけで見事に解いてしまう。莉実とリミット、二人の少女が送る、謎に満ちたひと月。心温まる、愛らしい連作ミステリ。
34年という短い生涯に於いて、自作5編が芥川賞候補となり、直木賞の候補にも挙がった早世の天才、山川方夫。「夏の葬列」をはじめとする〈親しい友人たち〉、EQMMに掲載されたエッセイ風連作〈トコという男〉を収録。
世界に憧れる有騎、いつも一緒の鮎子と茉歩。三人の女子高生の友情は、問題児の美雲と関わったことで変化していく。四人の間に緊張が高まる中、悲劇が…。後日、罪悪感に囚われ思い悩む有騎がたどり着いたのは、天体観測会が行われる廃園の館だった。館の主にまつわる謎を追ううちに知った、彼女たちの身に起きた悲劇の驚愕の真相とは。多感な少女たちの心を描く青春ミステリ。
銭湯で起きた殺人の謎を解くデビュー作の本格ミステリ「電気風呂の怪死事件」。男が死んだはずの友人とすれ違ったことに端を発する、幻想的な冒険譚「火葬国風景」。国民を洗脳・支配する独裁国が辿った、皮肉な末路を描く歴史的名作「十八時の音楽浴」など11編に、エッセイを収録。日本SFの先駆者にして、唯一無二の科学的奇想に満ちた作品を描いた著者の真髄を示す、傑作短編集。
88歳のメンフィス署の元殺人課刑事バック・シャッツ。歩行器を手放せない日常にいらだちを募らせる彼のもとを、因縁浅からぬ銀行強盗イライジャが訪ねてきた。何者かに命を狙われていて、助けてほしいという。やつは確実になにかをたくらんでいる。それはなんだ。88歳の伝説の名刑事vs.78歳の史上最強の大泥棒。『もう年はとれない』を超える、最高に格好いいヒーローの活躍!
「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとしないもの」を対象に依頼を受ける異色の怪盗ニック・ヴェルヴェット。その全短編を発表順に集成する日本オリジナル短編集第2弾。
山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。そこで彼は一人の修道女に頼まれ、オゴーマンという人物を捜すことになる。だが彼は五年前、謎の死を遂げていた。平凡で善良な男に何が起きたのか。なぜ外界と隔絶した修道女が彼を捜すのか。私立探偵小説と心理ミステリをかつてない手法で繋ぎ、著者の最高傑作と称される名品が新訳で復活。解説=我孫子武丸
ニューヨーク、ブルックリンの書店を大叔母から相続した、三十代半ばのダーラ。堂々と書棚を徘徊し、緑色の目で冷たく客を睥睨する黒猫ハムレットが店のマスコットだ。ある日、ダーラは近所の工事現場で常連客の死体を発見してしまう。その脇には動物の足跡が。最近、夜に外を出歩いているらしいハムレットのものなのか? 名探偵猫ハムレット登場の、コージー・ミステリ第一弾。訳者あとがき=越智睦
六甲の山中にある、父の旧友の別荘に招かれた14歳の私は、その家の息子で同い年の一彦とともに向かった池のほとりで、不思議な少女・香と出会った。夏休みの宿題のスケッチ、ハイキング、育まれる淡い恋、身近な人物の謎めいた死ー1952年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年ふたりと少女の姿を瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。
かつて最先端機種として期待を集めていた人型ロボット“ピイ・シリーズ”。しかし現在では絵を描くだけの無用の存在として各地を放浪していた。恋人との仲に悩む女性、周囲にとけ込めない中年男性、人生を見失った青年ーピイと出会った人々は、姿だけを同じくする彼らの瞳に何を見るのか。ロボットとの対話を通して揺らぐ人人のこころを柔らかに描く、希望と祈りに満ちた物語。
貧乏探偵バーニーと、猫がらみの理由で警察犬訓練所を卒業しそこなった大型犬チェット。この最強コンビは伯爵夫人に愛犬の警護を依頼されたが、いかにもな失敗で即クビ。その後、夫人は愛犬とともに誘拐されてしまう。そして事件を取材中のバーニーの恋人まで失踪…。何が起きているのか?語り手が犬であるからこそ可能になったミステリ!『チェット、大丈夫か?』改題文庫化。
女の子は座席で眠っていた。途中駅でホームに降りた母親を置いて列車は出発、終点で確認したときには、女の子は消えていた…。捜査にあたったストックホルム市警の敏腕警部は、少女の母親の別居中の夫に目をつけた。どうやら母親は、夫に暴力をふるわれていたらしい。だが彼の部下フレデリカは違和感を感じていた。世界27か国で刊行、大好評を博したデビュー作シリーズ第一弾。
コンスル帝国の最北西の村に住むデイスは十六歳、村の外に捨てられていたところを拾われ、両親と姉に慈しまれて育った。ある日彼は土の中に半分埋まった肩留めを拾う。“太陽の石”と呼ばれる鮮緑の宝石。これは自分に属するものだ、一目でデイスは悟る。だが、それが眠れる魔道師を目覚めさせることに。デビュー作『夜の写本師』で読書界に旋風を起こした著者のシリーズ第三弾。