著者 : 嶋津輝
第174回直木賞受賞作 東京・上野のカフェーで女給として働いた、 “百年前のわたしたちの物語” 強くたおやかに生きる女性たちが、 みんな、みんな、愛おしい。 ーー原田ひ香 時代を映す鏡であった仕事「女給」を通し、 大正から昭和を生きた市井の女性の人生を描き出す。 『襷がけの二人」の著者、心ふるえる最新作。 東京・上野の片隅にある、あまり流行(はや)っていない「カフェー西行」。食堂や喫茶も兼ねた近隣住民の憩いの場には、客をもてなす個性豊かな女給がいた。竹久夢二風の化粧で注目を集めるタイ子、小説修業が上手くいかず焦るセイ、嘘つきだが面倒見のいい美登里を、大胆な嘘で驚かせる年上の新米・園子。彼女たちは「西行」で朗らかに働き、それぞれの道を見つけて去って行ったが……。大正から昭和にかけ、女給として働いた“百年前のわたしたちの物語”。 ■目次 稲子のカフェー 嘘つき美登里 出戻りセイ タイ子の昔 幾子のお土産
第170回直木賞候補作として選考委員から激賞! 全編にわたるユーモアが、高く評価された女性たちの大河小説。 裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。 「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。 「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」 親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。 実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。 夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、 元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。 やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、 不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに…… 幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作! 再会 昭和二十四年(一九四九年) 嫁入 大正十五年(一九二六年) 噂話 昭和四年(一九二九年) 秘密 昭和七年(一九三二年) 身体 昭和八年(一九三三年) 戦禍 昭和十六年(一九四一年) 自立 昭和二十四年(一九四九年) 明日 昭和二十五年(一九五〇年)
単行本刊行前から注目の「オール讀物」新人賞作家が、2人同時デビュー! “どっかりしていて、愛嬌がある小説” 森絵都(第96回 オール讀物新人賞選考委員「姉といもうと」選評) 〈生きる姿勢が美しい人〉は、ときに可笑しくて、でもじんわりと沁みる。 つぶれたスナックの女性店員たちが開いた競馬場で同窓会、職人気質のクリーニング店主と下着を持ち込んできた若い女性客、幸田文の『流れる』に憧れる家政婦の姉と、指がないが、活動的なラブホテルの受付の妹……。 乾いていて衒いがないのに、そこはかとなく〈艶〉のある、クセになる文章のリズム。読んでいて、おもわずほほえんでしまう巧まざる〈ユーモア〉、人間観察からあふれでる、生きることへの〈姿勢の良さ〉。身近にありそうな、でもちょっとだけいつもと違う世界を、〈女性たちの持つ違和感〉を織り交ぜつつ、町の商店街の生活、女性同士の友情と葛藤、男性への鋭い視線などを通して描く実力派新人が登場。 ささやかだけど美しくて、すこしおかしな日常、全7篇の短篇集。 〈収録作〉 「ラインのふたり」(アンソロジー『女ともだち』(文春文庫)収録) 「カシさん」(第一回林芙美子文学賞最終候補作) 「姉といもうと」常(第96回オール讀物新人賞受賞作) 「駐車場の猫」 「米屋の母娘」 「一等賞」(『短篇ベストコレクション 現代の小説2019』(徳間文庫)収録) 「スナック墓場」