著者 : 北村薫
第51回泉鏡花文学賞受賞の『水 本の小説』に続く著者独自の連作小説。記憶の森を探り行き、本との出会いを綴る。深まる謎を追い、魅惑の創作世界へーー映画、詩歌、演劇、父との思い出。萩原朔太郎『猫町』とジャン・コクトー、江戸川乱歩「パノラマ島奇談」と美術館のパノラマ。塚本邦雄生誕百年、シェークスピア劇での松たか子、大竹しのぶの慧眼……はるかな異界へ連れ出される9篇。
文藝編集者として出版社に勤める娘が仕事の現場で行き当たった〈謎〉を、高校の国語教師のお父さんが解決して見せる〈中野のお父さん〉シリーズ第4弾! かの夏目漱石は、英語の〈アイ・ラブ・ユー〉を〈月が綺麗ですね〉と訳したーー世間に広く伝わるこの話、じつは根拠のない伝説だった! ではこの伝説はいつ、どのように生まれたのか? お父さんの推理が冴える! ほかに芥川龍之介、松本清張、池波正太郎など、〈あの文豪〉の〈こんな謎〉を、お父さんが見事に解決! 漱石と月 清張と手おくれ 「白浪看板」と語り 煙草入れと万葉集 芥川と最初の本
本を愛する作家が、言葉と物語の発する光を掬いとり、その輝きを伝える7篇。懐かしくて新しい物語の言葉が、映像や詩や短歌、歌のことばに結び合わされて光を放ち、豊かに輝き出す。向田邦子、隆慶一郎、山川静夫、遠藤周作、小林信彦、橋本治、庄野潤三、岸田今日子、エラリー・クイーン、芥川龍之介ーー思いがけなく繋がっていく面白さ。本の達人ならではの探索と発見が胸を打つ〈本の私小説〉。
父と娘の“名探偵コンビ” 好評シリーズ最新刊! 出版界で起きる「日常の謎」に挑むのは、体育会系文芸編集者の田川美希と、抜群の知的推理力を誇る高校教師の父親ーー。 実家の掘り炬燵で繰り広げられる父娘の会話から、大岡昇平、古今亭志ん生、小津安二郎、菊池寛ら各界のレジェンドをめぐる「謎」を解き明かす……人気シリーズ第3弾。 【本書で描かれる6つの謎!】 ■「大岡昇平の真相告白」 『武蔵野夫人』という題名に「夫人」と付けたのは誰か。編集者か、それとも……。 ■「古今亭志ん生の天衣無縫」 “自由人”は表向きの姿? 「蚊帳売りの詐欺師」のエピソードから志ん生の意外な一面が明らかに。 ■「小津安二郎の義理人情」 小津映画の原作者としても知られる作家・里見トン。しかし、原作と映画があまりに違うことに気付く。 ■「瀬戸川猛資の空中庭園」 評論で鋭い著作を残した瀬戸川。彼が学生時代に書いた映画の評論と映像を比べて明らかになった事実。 ■「菊池寛の将棋小説」 異色の作品で出会った江戸時代の棋譜の謎。先崎学九段と室谷由紀女流三段が読み解いていくと……。 ■「古今亭志ん朝の一期一会」 落語「三軒長屋」のCDを探す未亡人が本当に聞きたかった音とは。音源を探って見えてきたのは……。
小さな謎は大切なことへの道しるべ。解いてみると一筋縄ではいかない人の心が照らし出される。学生時代に届いた想い出の葉書には、姉のように慕っていた先輩が遺した謎めいたアルファベットの羅列があった。数十年の時を経て読み解かれたとき、現れたものとはー。表題作のほか、宇宙人たちが日本の名著を読むユーモア作「解釈」、乱歩へのオマージュ「続・二銭銅貨」など、ミステリの名手が贈るバラエティに富んだ謎解き7篇。
天国的な美貌を持つご令嬢・新妻千秋のもう一つの顔は、覆面作家。お嬢様の推理力が光るのは、小説の中だけじゃない。心霊写真に隠された秘密の思い出、断崖絶壁を走る車に仕掛けられた罠、ドールハウスに残された小さなダイイング・メッセージ。担当編集者・岡部良介にはお手上げの謎もなんのその、お嬢様は鮮やかに真実に迫る。2人の距離も次第に縮まってー?イラスト入り完全保存版で贈る“覆面作家”シリーズ、完結編!
若手編集者の岡部良介が担当する覆面作家こと新妻千秋の正体は、天国的な美貌を持つ可憐な大富豪のご令嬢。だが、一歩外に出ると様子が一変。日常に潜む事件をたちまち見抜くもう一つの顔を持っている。禅寺に消えた菓子職人の秘密、ラブレターと血液型の謎、シェークスピアと愛にまつわる殺人事件…。名推理を披露するお嬢様探偵の身に危険が迫るー!?ミステリの名手による傑作シリーズ、完全保存版の第2弾!
19歳でデビューした覆面作家の正体は、大富豪のご令嬢・新妻千秋。天国的な美貌と明晰な頭脳の持ち主、さらに可憐な性格ーと思った担当編集者の岡部良介だったが、ある事件の話をしたことからお壌様の意外すぎる顔を知ることに!殺人現場から消えたプレゼント、あっけなく解決し女児誘拐事件、警報は鳴るのに品物が消える万引き…2人を取りまく謎は鮮やかに解き明かされる。名作ミステリ、挿絵収録の完全保存版!
名だたるミステリ作家があなたを仰天させる! 物語の最終盤で読者の予想をひっくり返す、どんでん返し。6人の作家が自作から「これは」というどんでん返し作品を自ら選んだ大好評シリーズの第三弾! さらに、さらにパワーアップした傑作群をどうぞお楽しみください!!
新迷探偵コンビ登場!? 文芸編集者の娘と高校国語教師の父が、出版社の「日常の謎」に挑む! 主人公は大手出版社「文宝出版」に勤める田川美希。女性誌から晴れて希望の文芸部門への配属がかなうと、大学時代までバスケットボール部で鍛えたバイタリティを活かし、仕事に燃える毎日だ。 ある日、文宝推理新人賞の最終候補を決める会議で、有力な候補作品「夢の風車」の担当となった美希は、その候補者へお知らせの電話をかけた。が、まさかの返事を聞くことになる。「--応募していませんよ、私は」、と。一昨年までは新人賞へ投稿していた候補者の男性だが、まったく芽が出ずに今回は応募をしていないというのだ。 何とかこの作品を世に送り出したいと願う美希は、さまざまな可能性を探るが、どこからこの原稿が届いたのかまるで見当がつかない。ふと、父親にことの顛末を話してみようと思ったのは、高校教師をしている父は最近、ずいぶんお腹は出てきたものの百科事典タイプの人間で、インターネットで分からなかった疑問を解決してくれたりもする。相談役として誠に便利な存在だからだ。娘の相談にお父さんが導き出した真実とは果たして? 大作家同士の手紙、スケッチを映した写真、落語の解釈、マラソン大会でのハプニングなど、中野の実家に住む父は抜群の知的推理で謎を次々に解き明かす。 「日常の謎」の名手が、自らのフィールドを最大限に楽しみつつ、新たに送り出したユーモアとけれん味たっぷりの名探偵シリーズ。 解説・佐藤夕子 夢の風車 幻の追伸 鏡の世界 闇の吉原 冬の走者 謎の献本 茶の痕跡 数の魔術 解説・佐藤夕子
昭和八年。ドイツでは年の初めにヒトラー内閣が成立。日本は三月に国際連盟を脱退した。その三月には、東北三陸地方を、想像を絶する大地震が襲った。昨日から今日、そして明日も続くように見える穏やかな日常も、実はたやすく奪われるものだった。この年、父は慶應義塾大学を卒業した。
昭和4年。著者の父・宮本演彦は慶應の予科に通い、さらに本科に進む。教壇に立つのは西脇順三郎や折口信夫。またたびたび訪れた歌舞伎座の舞台には、十五代目羽左衛門、五代目福助が…。父が遺した日記は、時代の波の中に浮かんでは消えていく伝説の人々の姿を捉えていた。“本の達人”が描く小さな昭和史。著者のライフワーク3部作第2巻。
みさき書房の編集者として新潮社を訪ねた《私》は新潮文庫の復刻を手に取り、巻末の刊行案内に「ピエルロチ」の名を見つけた。たちまち連想が連想を呼ぶ。卒論のテーマだった芥川と菊池寛、芥川の「舞踏会」を評する江藤淳と三島由紀夫……本から本へ、《私》の探求はとどまるところを知らない。太宰が愛用した辞書は何だったのかと遠方にも足を延ばす。そのゆくたてに耳を傾けてくれる噺家。そう、やはり「円紫さんのおかげで、本の旅が続けられる」のだ……。《円紫さんと私》シリーズ最新刊、文庫化。
40歳目前、雑誌の副編集長をしているわたし。仕事はハードで、私生活も不調気味。そんな時、山歩きの魅力に出逢った。山の美しさ、恐ろしさ、人との一期一会を経て、わたしは「日常」と柔らかく和解していくーー。
気心のしれた女同士で飲むお酒は、自分を少し素直にしてくれる…そんな中、思い出すのは、取り返しのつかない色んなこと(「元気でいてよ、R2-D2。」)。産休中の女性編集者の下に突然舞い込んだ、ある大物作家の原稿。彼女は育児に追われながらも、自ら本作りに乗り出すが…(「スイッチ」)。本人ですら気付かない本心がふと顔を出すとき、世界は崩れ出す。人の本質を巧みに描く、書き下ろしを含む9つの物語。