著者 : 一條次郎
映画の主役「ワニオトコ」を演じることになり、ワニの着ぐるみ(オーダーメイドのぴったりサイズ)を着たところ、脱げなくなってしまい、いつしかほんもののワニオトコに……(「二十四番目のわに」)、ブギのリズムを生みだす古い洗濯機と、そのリズムに惹かれて踊りだしてしまう賢いネズミの友情物語(「夜のあしおと」)、外来種アライグマであることを隠し、たぬきと偽って豆腐屋を営むものの、卑怯なきつねの通報でお役人さんに責め立てられてしまい絶対絶命(「たぬきの豆腐屋さん」)など、荒唐無稽で目が離せない連作短編集。 【収録作品】 「そとはさむいよ」「夜のあしおと」「コードネーム〈ハイエナ〉」「二十四番目のわに」 「たぬきの豆腐屋さん」「おおきな口がまっている」の全六編。 ■著者プロフィール 一條次郎(いちじょう・じろう) 1974年生れ。山形大学人文学部卒業。福島県在住。2015年、『レプリカたちの夜』で新潮ミステリー大賞受賞。他の著書に『ざんねんなスパイ』『動物たちのまーまー』『チェレンコフの眠り』がある。
「字が読めるのが、そんなに重要なわけ? 世界は文字に書けないことでいっぱいなんじゃないのか?」アザラシのヒョーはたったひとり、荒廃した世界をめぐる。猫のまたぐらよりも暑い夏の日の午後、ヒョウアザラシのヒョーの飼い主、マフィアのチェレンコフが銃殺された。のこされたヒョーは、荒廃した外の世界にはじめて繰り出す。汚染された土地、プラスチックの雨、奇妙な人々、破壊された次の地球、そして海底の町ーー。唯一無二の奇才が放つ、不条理で不可思議、ユーモアと悲哀に満ちた書下ろし長編。
動物レプリカ工場に勤める往本がシロクマを目撃したのは、夜中の十二時すぎだった。絶滅したはずの本物か、産業スパイか。「シロクマを殺せ」と工場長に命じられた往本は、混沌と不条理の世界に迷い込む。卓越したユーモアと圧倒的筆力で描き出すデヴィッド・リンチ的世界観。選考会を騒然とさせた新潮ミステリー大賞受賞作。「わかりませんよ。何があってもおかしくはない世の中ですから」。
奇妙奇天烈、摩訶不思議。一度ハマれば抜け出せない、ユーモア・ニューワールドへようこそ! わたしはニホーン国のエリートスパイ。だが、どこでしくじったのだろう。市長を暗殺しにこの街へやってきたのに、そのかれと友だちになってしまった……。キリストを名乗る突然の来訪者、年寄りの賢いロバ、泥棒稼業を営む隣家のマダムに、巨大化したリス。妙ちきりんで癖になる人(動)物たちが次々に織り成す、一大狂騒曲。
「とにかくこの小説を世に出すべきだと思いました」伊坂幸太郎激賞、圧倒的デビュー作。動物のレプリカをつくる工場に勤める往本は、残業中の深夜、動くシロクマを目撃する。だが野生のシロクマは、とうに絶滅したはずだったーー。不条理とペーソスの息づく小説世界、卓越したユーモアと圧倒的筆力。選考委員の伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介から絶賛を浴びた、第二回新潮ミステリー大賞受賞作にして超問題作。